行きかふ年もまた旅人なり

日本の歴史や文学(主に近代)について、感想等を紹介しますが、毎日はできません。
ふぅ、徒然なるままに日暮したい・・・。

大村と西園寺

2007-11-29 00:06:28 | Weblog
『花神』を読み直して思ったことは、やはり歴史は面白い!という事だ。
大村が生前、足利尊氏の如き人物が九州から立ち上がる、と先見していたように、明治10年西南戦争でその予言が現実のものとなる。それは西郷隆盛だった。西郷自身に意識があるかないかに関わらず、維新で変わったはずの生活が、逆に幕政時代よりも民衆は苦しむ事になった。また、武士達の不満は消えることなく、再革命を世論は望むようになっていた。
 仮想敵に西郷を描き、その威望に対抗できるのは同時代の人物では皆無と考えた。実力では及ばないとしても、朝廷に近い人物、或は、朝廷人の威信・名声でしか対抗できそうに無いと大村は考え、その白羽の矢に立てた人物が、西園寺公望であった。そのように大村が育成しようとしていた話は興味深い事だった。
コメント
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