おじんの放課後

仕事帰りの僕の遊び。創成川の近所をウロウロ。変わり行く故郷、札幌を懐かしみつつ。ホテルのメモは、また行くときの参考に。

2022年6月某日

2022年06月27日 | 風景

 

♪汽笛一声新橋を♪の楽しげなメロディーが、

旭川までの、心地よい旅の終わりを知らせ、

ここより北へ行くすべての乗客たちに、

苦難の道のりの始まりを告げる。

快速と言いながら、何も鈍行と変わらない。

一両編成の、その蒸し暑い車内で、まずは繰り広げられる、

もの言わぬ、座席の争奪戦。

敗者は1時間30分、立ちんぼだ。年齢も性別もない。

老人は老いを、若者は機敏さを、男は疲労を、女は粛々と、

それぞれの武器で静かに火花を散らす。

旅人はただ見守るばかりだ。

 

そんななかで、現地の人たちにまみれ、

我先に、体よく1人座席をせしめた奴がいる。

私だ。

こうなればもう、車内の一切のことは考えない。

ただただ一刻も早く名寄へ着くことを願うばかりだが。

願って1時間半を過ごすのは無理というもの。

どうしても、旭川までの楽しい時間が思い出される。

始まりは、そう、ちょっとした実験があった。

 

お得な切符「Sきっぷ」に、指定席をつけられることは、

当初から知っていたのだが。

どうせ別途に指定席料金を取るんだろうと思っていた。

もとがお得な切符だから、当然だろう。

なんて、すっかりわきまえた気分でネットを見ていたら、

+530円で指定席に乗れるという情報にでくわした。

は?2360円の間違いだろw

買ってみた。

特急は旭川止まり(特急「宗谷」を除く)。

行きの「宗谷」は時間も遅いから、何とかなるとして。

帰りはもう、指定席じゃないとダメなくらい混んできている。

自動券売機で、「指定席」の選択、次の画面で「中止」とボタンを押すと、

帰りの指定席だけを選べるようになる。

当日、面倒でなければ、みどりの窓口でゲットしてもいいそうだ。

先に選んで、乗り遅れると、もう自由席しか使えない。

しかし当日だと、希望の席を取るのは難しい。

本当に+530円だった(笑

該当する「かえり」の券面に、赤で別途の印字がされる。

へぇ。「Sきっぷ」ってこんな機能があるんだねぇ。

「Sきっぷ」指定席、初体験(笑

人生ムダに年齢だけ増えたが。

まだ初体験なんてものが転がってるんだな。

 

そうだ。

列車の指定席だ。

列車の指定席といえば!

もうアレをやるしかない。

自由席ではまず無理な、久々の、

若いのころの憧れだったアレを。

駅弁と、持込みの立ち食い。

ずいぶん久しぶりだったから、忘れてたかもしれんが。

持ち込み容器って、フタついてたっけ?

そしてまた、肝心のそれ(フタ)を撮り忘れる定期 orz..

このお弁当、前の客がホクホク顔で買ってたから、僕も買ってみた。

デザートの、ひとくちメロン大福は好印象。

お茶じゃなくてコーヒーがよかったかもしれない。

そして相変わらずのスカスカな麺。

ふにゃふにゃじゃない。スカスカ。

でもこれ食べないと、札幌駅に立った気がしない(笑

 

なんて、帰りの弁当のことを考えていると、

行きの晩飯のことを思い出した。

三星食堂の定番メニューらしい。

名寄食べ歩きマップにも、この料理で出ている。

今回は大盛りにした。そしてやはり美味い(笑

メニューが新しくなっていて、

前回食べて驚いた、「ジンギスカン定食」が消えていた。

なんだか悲しくて、店員さんに聞いてみたら、

裏メニューらしく、レジのホワイトボードにその名前が。

よかった。

そしてその正式名称を「煮込みジンギスカン」と言うらしいことを、

名寄観光協会のホームページで知ったのだった。

また次回、いただくことにしよう。

季節ものな可能性も無きにしもあらずだが。

いつもあるというのは、いいことだな。

 

このケーキとは、またいつ会えることか。

ちょうど暑かった日でもあり、

何か冷たいものを飲みたいなと。

じゃあお別れに、ベリーづくしにしよう。

お酒を使わない、ベリーのモクテルと一緒に。

注文して気づいたが。どっちも甘い(笑

若い奥様方の間で、

先の見えたオッサンが、こういうものを幸せそうに食っている。

そういう構図を、自分で想像して笑ってしまう。

このモクテル、ジュースの部分は、なめらかで丁度いい大きさの、

いわゆる「かちわり氷」が入っていて。

長話をするうちに、解けて、ちょうどいい甘さになっていく。

普通はあまりオススメされない、氷食べちゃう派の自分としては、

この「かちわり氷」を匙ですくって食べられるのが、

すごく気持ちいい。だって、匙がついてる。

食べていいんだよと。

これから暑い(熱い)季節になっていくなかで、

こういうモクテルはいい。すごくいいなぁ。

 

「次は、名寄にとまります。」

電子的な男声のアナウンスが聞こえて、

はっと、我にかえる。

この快速列車とも、まだしばらくは、つきあうことになるのだろうな。


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