岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

平和を訴える歌(4):歌人9条の会作品集より

2021年12月17日 03時09分57秒 | 私が選んだ近現代の短歌
・膨大に増える軍事費出る度によみがえりくる空襲のおののき 
                           黒崎美芳

・広島に特殊爆弾落されたとひそひそ話は袋田村まで
                           小永井嶽

・戸籍なく飢え死にしたる老い人ありいまに救えぬこの国を恥づ
                           小林登紀

 戦争体験の作品を3首挙げた。作者はもう90歳以上だろう。戦争体験者がいなくなったころ、大きな戦争が始まると憲法学者の伊藤真が警鐘を鳴らす。ほぼ70年おきに大きな戦争が起こるというのだ。いまの国会議員に戦争体験者はいない。ここに危険がある。

「戦争は爺さんが計画し、親父が命令し、若者が死ぬ」と言ったのは俳人の大橋巨泉だ。その「爺さん」の国会議員に戦争体験者がいなくなった。

 ここに現代的な危険性がある。全国で「9条の会」が、改憲発議NOの署名を集めている。戦争体験はないが戦争の記憶が深く刻まれている団塊の世代が中心だ。

 大江健三郎、澤地久枝、三木睦子などの著名人が呼びかけた運動である。




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