レナード対ハーンズ‘史上最高の王座統一戦’から30年

 今から30年前の日本時間の今日(現地時間では16日)81年9月17日にラス
ベガスで行われたのが世界ウエルター級タイトルマッチの統一戦で、WBC王者
のシュガー・レイ・レナードがWBA王者のトーマス・ハーンズに14RTKOで
勝った大一番だった。

 79年11月に2階級制覇をしたウィルフレッド・ベニテスに15RTKOで勝って
WBCウエルター級タイトルを獲得したモントリオール五輪金メダリストのレナー
ドは1度防衛した後の80年6月にロベルト・デュランから判定負けしてタイトルを
失いものの11月に8RTKO勝ちで奪回。

 一方のハーンズは80年8月にホームのデトロイトで‘ジョー・クラッシャー’と
呼ばれ11度防衛中だったホセ・クエバスを2RでKOしてWBAウエルター級
タイトルを獲得していた。

 両者に統一戦の機運が出てくる中で両者は81年6月25日にヒューストンの
アストロドームで前哨戦を行う。

 2度の防衛に成功していたハーンズはパブロ・バエスを4RTKOで下して3度
目の防衛に成功すると、レナードは工藤政志からWBA:Jミドル級タイトルを
獲得し4度防衛していたアユブ・カルレに9RTKO勝ちし2階級制覇に成功し
統一戦への機運を盛り上げた。

 試合前の予想はリーチに勝るハーンズがレナードの前進を阻んで倒すか、
スピードに勝るレナードがハーンズの強打を かわしてポイントアウトするかと
いうもの。

 試合はハーンズが攻め立てレナードが足を使って捌くという展開が5Rまで続い
たのだが、6Rにハーンズが打ったワン・ツーをレナードがかわしながら放った
左アッパーがアゴにヒットするとハーンズは足に来る。

そこにレナードがたたみ掛け7Rも一方的に打ちまくるのだが、8R以降はハーン
ズがダメージの回復のため足を使ってポイントアウト狙いに切り替えるとフリッカ
ージャブをコンスタントに受けたレナードの左目が腫れ上がりポイントもハーンズ
がピックアップして行き‘このまま判定勝ちか?’と思われた。

 ところが13Rにフリッカージャブを打つために低い左ガードのスキをついた
レナードの右ストレートがヒットして形勢が逆転し連打からスタンディングカウント
を奪うと、14Rに狙い打ちした右がアゴをかすめてグラついたところに連打を
まとめてレフェリーストップとなった。

 13Rまでの採点は125‐122、125‐121、124‐122とハーンズがリードして
いただけにレナードとしては捨て身の反撃からの逆転勝ちだし、ハーンズに
とっては痛恨の負けだったのだ。

 私事ながら この試合はTV東京でOAされたのだが、地元に系列局がないため
フジ系で0:00過ぎからOAされたのを眠い目をこすりながら見たのだった。

 初めて見る世界のスーパーファイトは迫力満点でボクシングの魅力が全て詰め
込まれた一戦だった。
‘これぞ世界最高峰の試合’と友人にも宣伝していたので翌日 試合を見た友人
達も興奮気味で、この試合から5日後の9月22日に行われたWBCバンタム級
タイトルマッチのルペ・ピントール対ハリケーン照戦が残念ながら物足りない
気分になってしまったのだった。

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コメント
 
 
 
両者の激しいバトルが伝わってくるナイスな’観戦記‘です~ (なにわのヒバゴン)
2011-09-18 09:47:05
ボクシングは最後の最後まで分からないと言う定説を地でいく一戦だったようですね。ウエルター級あたりだとパンチの一発一発に迫力を感じますし、一瞬のガードの隙、心の隙が命取りとなるだけにいかに心体技のピークを最後まで維持できるかでしょうね。工藤政志も懐かしい。具志堅全盛期の王者だったのでやや時世が悪く一般的な認知度も低かったような気がします。玄人好みのいい選手でしたよね。

私は北海道は慰安旅行等で2回ほど行きましたが、空気がカラッとしていて清々しい気分になれますよね。主に道東の方をバスで回ったのですが、釧路や根室あたりは湖があちこちに広がっていた印象で日頃のモヤモヤが吹っ飛ぶような雄大な景色が最高でした。タンチョウヅルも見ましたし、味噌風味の旭川ラーメンも冬場だったので体の芯まで温まるようでホント美味でしたよ。

そう、まさしく技術は商品です(でした)。一昨日、理髪店(大衆ですが)に行きましたが洗髪・顔剃りも済んでもう終了かな?と思っていたところモミ上げを細やかにチェック、フロントやサイドも料金以上に丁寧に微調整してもらいました。店員さんは5名くらいいるのですが性格は千差万別。同じ仕上がりでも心をより尽してくれた時はやはり気分がいいですし、その’商品‘をまたリピートしたくなるものですね。
 
 
 
工藤政志は (こーじ)
2011-09-18 23:32:32
>なにわのヒバゴン様
 工藤政志は78年8月に輪島功一を引退に追い込み、
日本王者の柴田賢治に東洋王者の林載根と東洋勢を連破していたエディ・ガソに判定勝ちしてタイトルを奪取したのですが、当時世界挑戦16連敗中だった日本を救った一戦でした。

 アマレス出身者らしくクリンチ戦法が得意なガソを
レフェリーの見えない位置から関節技を決めて優位に立っての戴冠でした。

 こういうボクサーは最近少ないですからね。
 
 
 
80年代の (屯田兵)
2011-09-19 11:24:00
4人のグレート(レナード ハーンズ デユラン ハグラー)みてるもんにとっちゃ今のミドル級なんか鼻くそ
ケリーパブリッグが評価高いのか俺にはわからない
80年代脇もセルバンデス アルゲりょ プライヤー
カントもゴメスもサンチェスもペドロサだって ねえ
揃ってましたよね

ジジイの戯言じゃないからね

工藤政志とジャンボ鶴田が親友で(レスリングの関係で)
よく防衛戦前日 ジャンボが工藤を励ます記事が東スポ
に必ず載っていましたな
相手の首根っこ捕まえて(がぶり」って技で
ガソはスタミナ消耗したんだとさ
 
 
 
まったくです (こーじ)
2011-09-20 00:46:11
>屯田兵様
 まったくですよ、80年代の黄金の中量級を見たら今の試合はレベル下がったなという感じですね。

 個性ある魅力的なキャラ多かったですからね。

 工藤のレスリング技に敗れたガソが王者になる前のハーンズから1Rで料理され‘これで元世界王者?’という意味で‘驚いた’というコメントをしたのが懐かしいです。
 
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