元スワローズの安田猛を偲ぶ

gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/nikkansports/sports/f-bb-tp0-210220-202102200001421

　元スワローズの左腕エースだった安田猛が昨日ガンのため、73歳
で亡くなったようだ。

　安田氏といえば左サイドスローから緩い球を中心に打者を翻弄す
るタイプで、特に王貞治に対しては絶対の相性の良さを発揮してい
たのを思い出すし速球派の松岡弘と並ぶ左右のエースだった。

　引退後はコーチやスカウトにスコアラーなどを歴任していたよう
だが、17年から母校である小倉のコーチに就任していた事が話題に
なっていたものの直後に胃ガンが見つかり闘病していたようだ。

　高校時代は速球派だったようだが早稲田や大昭和製紙を経てプロ
入りした頃には、緩い球を使って打者を翻弄する技巧派になってい
たようでモデルチェンジに成功したタイプだろう。

　王が‘現役時代に最も球が速く感じたのは安田’と言った記事を読ん
だ事があるのだが、江夏豊や平松政次といった速球派よりも断然遅
い球を投げていたにも拘わらずそう言わしめたのは緩い球を投げ続
ける中で時おり投げる速球が速く感じたという事のようだ。

　もっとも756号HRがかかった王には打たれなかったものの投手の
西本聖にHRを打たれるというネタもあったのを思い出す。

　一方いしいひさいちの名作ギャグマンガ・がんばれタブチくんに
も登場し大矢相手にナンセンスな新魔球をテストしたり、ヒロオカ
氏とのやり取りなど主役のタブチを食う存在感を見せていたのが忘
れられない。

　また小倉時代の安田は福岡No1の左腕投手だったようで安田を打
たずして甲子園はないという事から三池工の原貢監督は2年生左腕
の上田卓三をにバッティング投手で投げさせていたところ、コント
ロールがよくなり最終的にエースの座を奪って夏の甲子園優勝投手
になったのを考えると安田の存在なくして三池工の優勝なしという
事になるのではないか。

　そういう意味で大いに話題を振りまいてくれた素晴らしい投手
だったと思う。