顔は知らずとも醸し出すオーラで

　今から30年前の4月30日に沖縄水産の栽弘義監督と初めて会う
事ができたわけだが、驚いたのは記者会見が終わりバスに乗り込
む前に挨拶をすると‘ひょっとして宇都宮さんですか、やはりそう
でしたか。今日は月曜日だからひょっとしてと思ったのですよ’と
言われたので‘よく分かりましたね’と言うと‘あなたの電話での話
し方や手紙の文章を読むとイメージが湧きました’と言われたのだ。

　考えてみると栽氏のように多くの教え子や多くの人と話をして
いると直接顔を合わせてなくてもイメージは湧くのだろうし、最
初に電話で2時間ほど話し込んだ時に適当にあしらわれなかった
のも単なるひやかしでないと判断されたからなのだなと思ったも
のだ。

　あれから30年経って私も50代になり当時初めて顔を合わせた栽
氏よりも歳を取った形になっているが、何となく栽氏が言われた
‘電話の話し方や文章からイメージが湧く’という事の意味が分かる
ようになった。

　というのも04年に我が家がインターネット接続した年にOAされ
たのがウルトラマンネクサスで、ネクサスのファンサイトにアク
セスするとBBSやチャットでファンとの交流が始まった。

　大いに盛り上がるとメンバーと会おうという事になるわけで、
面白いのが福岡や東京などの待ち合わせの場所でオーラを感じる
ため当人を間違える事がないのだから凄い。

　特に最初に顔合わせをした人とはビルのエレベーター前での待
ち合わせにしていたのだが何人かそれらしき人がいたものの‘違う’
と実感し、当人が来た時に‘この人だ’と思って声をかけると相手も
同じように思っていたらしい。

　04年のネット接続以来10人以上の人達と互いの顔を知らずに待
ち合わせしていたのだが外れた事がないわけで、そういう意味で
待ち合わせした人の醸し出すオーラがあるのだと実感するのだ。