北京五輪競技第9日:五輪連覇の価値

 まずは女子マラソン。
 優勝候補の一角・野口みずき不在、昨年の世界陸上3位の土佐礼子が
外反母趾の痛みで不調という状況で迎えたレースは気温が23度と意外に
涼しい気候でスタート。
 当初はスローペースだったが20㌔過ぎでルーマニアのコンスタンティナ・
トメスクが抜け出し独走。
 トメスクの飛び出しに他の選手は付いて行かず、どんどん離される展開。
 特に有力候補だったケニアのキャサリン・ヌデレバは第2集団の後ろに
付けていたためか、トメスクの飛び出しに気づかなかったのか?
 土佐は20㌔手前で遅れ始め、歩くような状態になり25㌔付近でリタイア。
 中村友梨香も30㌔付近で遅れ日本勢の連続メダルはおろか入賞も途切
れる事になるが、2度目のマラソンランナーに多くを望むのは酷な話。
2:30:19での13位ならよくやったと思う。

 結局トメスクのペースは最後まで落ちず2:26:44でルーマニアに初の金を
もたらした。
 2位争いはトラック勝負の末、いったん周春秀から抜かれたヌデレバが
最後で抜き返し銀で周は銅。
 世界記録保持者のポーラ・ラドクリフも38㌔手前でストップするなど波乱
のレースだったが、4年前の野口みずきが演じたロングスパートの再現の
ような展開だった。

 女子レスリング
 63㌔級の伊調馨は初戦でアゼルバイジャンのオレシア・ザムラにフォー
ルで勝つと、2回戦でもアメリカのランディ・ミラーにフォール勝ちでSファイ
ナル進出。
 Sファイナルではカナダのマーティン・デュグレニエに手こずり1P 無得点
でボールピックアップで相手有利の組み手になったものの、相手を潰して
ポイントを奪い先取する。
 ところが2Pを片足タックルから奪われ3Pでも片足タックルから持ち上げ
られ1点先取されるが、直後にバックを奪い返しラストポイントという事で
辛勝でファイナル進出が決まった。

 72㌔級は浜口京子が初戦でロシアのエレーナ・ペレペルキナに1Pを先取
したが、2Pに追いつかれ最終3Pもポイント無しで終わりボールピックアップ
で勝って仕掛けようとすると相手に警告2枚が来て初戦突破。
 2回戦はブラジルのコンスイサオンにフォール勝ちするがSファイナルで
中国の王嬌にいきなり投げられローリングで追いつく。
 しかし腕が危険な角度に入ったためフォールに行けず終了間際にバック
からローリングでリードを奪われると2Pにはタックルを潰されて抑え込まれ
てフォール負け。 パワー負けという感じだった。

 競泳は最終日。
 女子400mメドレーリレーは中村礼子・北川麻美・加藤ゆか・上田春佳で
6位に入る。
 男子400mメドレーリレーは宮下純一が粘って北島康介につなぎ体半分
のリードを奪う、続く藤井拓郎が2位でアンカーの佐藤久佳がオーストラリ
アから抜かれるがロシアとの差をキープし0秒74差で逃げ切り2大会連続
の銅メダルを獲得し有終の美を飾った。

 メドレーリレーは、その国のレベルが問われる。
 1種目だけよくてもダメ、だから日本の2大会連続の銅メダルは凄い価値が
ある。
 だからこそ北島康介は銅メダルにも拘わらず大喜びしていたのだ。

 卓球団体共に3位決定戦。
 男子がオーストリアに最初のシングルスこそ勝ったものの、残るシングル
スとダブルスを落として1-3で敗れる。
 また女子も韓国にシングルス2つとダブルスも落とし0-3で敗れて共に
メダルを逃した。

 女子ソフトはベネズェラに0-2から5点を奪って逆転勝ちしトーナメント
進出決定、と同時にメダルも決まった。

 女子レスリングのファイナル。 
 63㌔級の伊調馨はロシアのアレーナ・カルタホワと対戦。
 1Pから互いに差し手争いの応酬でポイントが取れずタイムアップとなり、
ボールピックアップで相手有利の組み手になるが30秒耐えて1Pを先取。
 2Pも同じ展開で終了し今度はボールピックアップで攻撃になる。
 一気にタックルで倒してポイントを挙げ金メダルを決めた。

 72㌔級の3位決定戦は浜口京子がアメリカのバーナード・アリと対戦し
開始20秒でタックルを決めバックを取って先制すると、更に相手のタックル
を潰してバックを取って3-0で終了。 
 2Pでも がぶりながら相手を潰しバックを奪って先制すると更に連続して
バックを取って3ポイント追加、アリの反撃を1ポイントに抑えて3-1で逃げ
切り2大会連続で銅メダルを獲得した。

 昨日の吉田、今日の伊調馨と連覇を果たしたが、今大会の金メダルは
ここまで8個。うち北島・内柴・谷本・上野・吉田・伊調馨と7人中6人までが
連覇。 つまり大舞台の勝った経験が五輪では凄い武器になる。
 ただ連覇のプレッシャーは半端でないというのは、柴田亜衣や野口みず
きらが証明しているのだ。 

 体操の種目別は床に内村航平と、あん馬に富田洋之が登場するが
共に5位。  

  陸上の注目は男子ハンマー投げ。
 連覇を狙う室伏広治は1投目に79,47でベスト8を決め、2投目に80,71で
2位になるがスロベニアのプリモジュ・コズムスが82,02を投げてから少々
投てきに狂いが出たのか3投目以降は80mに届かず5位となった。
 とはいえ腰痛で調整が遅れた中で、よくぞここまで持ち直したと思う。

 女子バレーは予選リーグ最終戦で中国相手に第1セットは序盤の連続で
得点し12-4とリードを奪う。
 ところがここから追いつかれ24-26で第1セットを落とすと、第2セットは
16-25で第3セットも14-25で落としてストレート負け。
 グループ4位になって明後日のQファイナルではグループBで1位だった
ブラジルとの対戦が決まった。
 これではメダルは厳しい!  

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