帰ってきたウルトラマン31話・悪魔と天使の間に

 今から50年前の今日71年11月5日にOAされた帰ってきたウルトラ
マン31話・悪魔と天使の間には、後に言われる11月の傑作選の第1
弾で31話にして初めて侵略宇宙人・ぜラン星人が登場しウルトラマ
ン抹殺を企てる。

 星人は口のきけない少年・輝男に化けて教会で伊吹隊長の娘・美
奈子と仲良くなり、MAT基地内見学に連れて来てもらった際に郷秀
樹に対し‘ウルトラマンが怪獣プルーマに勝った時が最期’と挑発。

 これで冷静さを失った郷は2度にわたって輝男を襲うが当然周り
から止められ信じてもらえず精神鑑定まで受けさせられるが、当然
のように異常はなく輝男が入院した病院の近くにプルーマが出現し
た時に隊長に‘ウルトラマンがピンチに陥ったら、あの少年を捕まえ
てくれ’と言い残し変身する。

 プルーマにスペシウム光線は通じずブレスレットのウルトラスパ
ークで倒すものの、ブレスレットが磁気でコントロールされたため
ウルトラマンを襲撃して大ピンチになる。

 そこで伊吹隊長は輝男を捜し霊安室で機会を操っているのを発見
すると、攻撃されたためMATシュートで喉を撃ちぬくのだが少年は
喉から血を滴らしながら近づき絶命。

 死体となって初めて正体を晒すわけだが口のきけない少年という
社会的弱者の姿で侵略行為を行うというのはウルトラマンAの敵・
ヤプールを思い出すが、このEPの脚本がウルトラマンA前半のメイ
ンライターだった市川森一作品なのでさもありなんと思ったりする。

 もともと市川氏はクリスチャンという事から裏切りをテーマにし
たEPが得意でカプセル怪獣ウインダムが敵の洗脳光線でセブンに向
かって来るカナン星人編や天才科学者が宇宙スパイに裏切られるプ
ロテ星人編、部下のシラハマに化けてクラタ隊長を裏切る形で復讐
を企てるザンパ星人編や自分の星に裏切られる工作員のマゼラン星
人・マヤなどセブンでは裏切りの物語が多い。

 ‘子供の心が純真だと思うのは人間だけだ’とはウルトラマンAで
のバキシム編のヤプールのセリフだが、このEPの脚本は田口成光
ではあるもののメインライターである市川森一の思想がかなり入
っていると思う。

 そういった意味でプルーマ編はウルトラマンAのプロローグ的
な位置付けになるだろう。

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