批判なき所に成長なし！

　阿倍晋三内閣総理大臣が辞任した。
　参議院議員選挙の大敗から2ヶ月足らずでの辞任だった
のだが、そもそも第1期安倍内閣は’お友達内閣’などと
揶揄され仲がいい者達で固めていたようだ。
　これで政権運営が上手くいけば言うことなしだったの
だが、悪い事に農相を始めとした大臣達の不祥事続きで
足を引っ張られた形になった。
　そういえば今朝の新聞に’東京相撲記者クラブ会友で、
元NHKアナウンサー・杉山邦博氏の取材証の返還を求めて
いる’という記事が載っていた。
　
　杉山邦博氏といえばNHKの相撲中継の名物アナで、名実況
が印象深い。
　その杉山氏は、アナウンサー引退後に枡席で観戦する姿を
TV画面で見かけていたが朝青龍問題を扱うワイドショーに
相撲評論家の肩書きで出演していた。
　氏はTVで朝青龍の行動について厳しく批判しつつ、協会を
批判するコメンテーターの意見に頷いていた。
　頷いていただけで’批判に同調した’と解釈する事自体が
異常である。
　昨今の相撲人気の低迷に輪を掛けるかのような朝青龍騒動
だったが相撲協会の対応は、お粗末としか言いようがない。
　だからこそ多方面から批判の声が上がっているのだが、杉山
氏に対する取材証の返還要求は’貧すれば鈍ず’の典型的な
対応である。
　理事長をトップにした毒裁体制には呆れる他はない。
　彼らの頭は脳みそにまわしを巻いているのではないだろうか？
　
　自分を批判する者を遠ざけて、御用記者やイエスマンばかりで
固めれば気分はいいだろうが正直言って進歩はない。
　
　ジャイアンツが9連覇を達成した川上哲治監督は、ドラゴンズ
OBでジャイアンツを批判する記事を書いていた牧野茂をヘッド
コーチに迎えてから黄金時代を築いた。
　自らに対する批判をする者を受け入れる度量が、あればこその
話で名横綱と言われた北の湖には備わってなかったのだろうか。
　
　一応その後、話し合いで解決したが何ともまぁお粗末な騒ぎで
あった。