石堂淑朗作品について

 怪奇大作戦を代表するEPの1つが23話の呪いの壺で、脚本を書い
たのは石堂淑朗。

 石堂淑朗が最初に担当した特撮作品はマグマ大使のようで円谷作
品は怪奇大作戦から参加という形になり、美女と花粉に続く作品と
なっている。

 呪いの壺は実相寺昭雄監督の演出と相まって独特の雰囲気を醸し
出していたのだが、それまで実相寺作品の脚本は基本的に佐々木守
と組むケースが多かったので珍しいと思っていたら意外によかった
と思う。

 石堂作品が本領を発揮し始めるのは第2期ウルトラに入ってから
で2クール目のマグネドン編からで9話を担当するとエースで13話、
タロウで11話をレオで2話だったものの80でも8話を担当していた。

 氏の作風としては権威を忌み嫌ってバカにする傾向があり帰って
きたウルトラマンのオクスター編などでよく描かれているのだが、
呪いの壺では市井商会のオーナーが贋作を代々日野家に作らせてい
たという展開などに表れていたし基本的に金持ちや名家などを悪役
という形になる。

 権威をバカにするといえば帰ってきたウルトラマンのパラゴン編
では、MATがストラ星人の策略に嵌り民間人を誤爆するなど正義の
組織すら例外ではない。

 更にスノーゴン編でウルトラマンが凍結させられバラバラになる
しレオでもブニョ相手に同じく凍結させられノコギリでバラバラに
され、タロウではエンマーゴから一時的に首を切られ帰ってきたウ
ルトラマンはドロボンからカラータイマーを盗まれてぺしゃんこに
なるなど正義のヒーローにすら容赦がない。

 またバキューモン編では北斗七星を呑み込んでしまう怪獣を出す
などスケールが大き過ぎるEPもあるのだが‘石堂作品ならば’で済
んでしまう。

 ちなみに80のメインライターである阿井文瓶は氏の弟子で80の
当初のテーマは人間の持つ負の感情=マイナスエネルギーが災いを
もたらすという形だったので、石堂イズムをしっかり継承している
わけで実際に最終回は石堂氏が担当しているのが象徴的だろう。

 そういう意味で呪いの壺は石堂イズム全開のEPで、原点となって
いると思う。

 

 

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