ヒーロー番組が乱立し始めた あおりで名作がマイナーに

 今から40年前の72年はヒーロー作品が目白押しで、これが74年途中まで
続く。


 その1年前の71年4月に帰ってきたウルトラマンと仮面ライダーが始まった
のだが他のヒーロー作品といえば宇宙猿人ゴリやアニメのスーパーマンぐらい
だったのが、1年後の72年の4月は1日が土曜日で宇宙猿人ゴリ(スペクトル
マン)の後番組の快傑ライオン丸が始まった以外に裏番組で巨人の星の後
番組として天才バカボンや海のトリトンが始まっていた。


 更に日曜日になると19:00からミラーマンとシルバー仮面が同じ時間帯で
OAされていたし、19:30からはルパン三世の後番組で超人バロム1が
始まったのでムーミンを見ずにバロム1を見ていた。


 月曜はキックボクシングの裏番組でアニメの月光仮面がOAされていたし
金曜19:00からは帰ってきたウルトラマンの後番組でウルトラマンAが始まり、
裏番組では忍者版・仮面ライダーともいえる変身忍者・嵐が始まった。


 問題は19:00台のどれを見るか。

 とりあえずムーミンよりはバロム1の方が当然面白いのでコチラは問題
なかったもののミラーマンとシルバー仮面では当初シルバー仮面が等身大で
内容も地味過ぎるのでミラーマンを見ていたが、シルバー仮面が巨大化した
‘ジャイアント編’になるとシルバー仮面が番組の前半で変身して戦うのに対し
ミラーマンは終盤しか変身しないため前半にシルバー仮面を見るという形で
両方を見る者が多かった。


 金曜日は‘王道’のウルトラマンAが強くコチラを見ていたのだが、小学館の
学習雑誌で次回の情報が入るのでウルトラマンAのEPが今ひとつっぽそうな
時に嵐を見るというパターンが多かった。


 土曜日の場合はスペクトルマンを見ていた流れでライオン丸を見ていた。

 裏番組の天才バカボンは赤塚作品という事で親が難色を示していたし、トリ
トンの場合は絵のタッチが少女アニメっぽく連続モノなので1回でも見損ねると
ストーリーが分かりづらいという事で不人気だった。


 思えばトリトンは宇宙戦艦ヤマトと同じ西崎義展プロデュース作品。

 ヤマトも裏番組がアルプスの少女ハイジだった事もあって視聴率が伸びなかっ
たのだが、
後年トリトン同様見直されたわけで名作=高視聴率ではないという
のを最初に知ったのだった。


 当時はビデオデッキなどの録画機がなかったので同じ時間帯に見たい作品が
並立していたら片方を見られないというケースが多かったし、この時期の作品は
まだ塑造乱造されてなかったので裏番組の悲哀でマイナー扱いを受けた不運な
作品が出たのは もったいない話だった。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
逆に (柴田真紀)
2012-04-16 00:05:00
裏番組に勝とうと、グレードの高い作品を作り出していた時代だったかも!?
もっとも、ミラーマンにしても、ウルトラマンAにしても、途中であちこちイジリすぎて、当初の目指していた作品とは、全く異なった作品になっちゃいましたが。
ただ、あの時代は『仮面ライダー』や『マジンガーZ』ですらテコ入れをしているので、しかたなかったのかも知れませんが。

ヤマトとハイジがウラオモテだったことは有名ですが、私なんか、その間にこっそり放映していた『猿の軍団』見てましたから~
 
 
 
そうですね (こーじ)
2012-04-16 23:24:28
>柴田真紀様
 たしかに裏番組打倒に燃えていた時期でしたから、それなりの名作ができてましたね。

 録画機がある今こそ、そういう気概を持って欲しいと思うのですけど。

 当時のTBSは7時半から猿の軍団、8時から日本沈没でしたっけ。
 
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