ウルトラマンネクサスのEP19から3話にわたって登場するビ
ースト・ゴルゴレムはシリーズ初の四足歩行型であるが、同時に
位相空間を自由に行き来できる能力を持つ。
ネクサスには地底を潜って移動する地底怪獣や水陸両方で活動
する水棲怪獣は登場しない代わりに、今回のゴルゴレムや次に登
場するクトゥーラのようなビーストが登場するわけである。
こういった敵を倒すのには敵が潜む場所に乗り込んで叩き浮上
したところを攻撃するというのが防衛チーム側の定番で、これは
ウルトラマンの第1話・ウルトラ作戦第一号を皮切りによく見ら
れるパターン。
ベムラー編やゴルドン編に帰ってきたウルトラマンのタッコン
グ編は特殊潜航艇S号やペルシダーで湖底や海底、地底に潜って
攻撃し浮上したところを迎撃するというもの。
それを今回のゴルゴレム編では、このEPから実戦投入された
クロムチェスターδが位相に潜ってゴルゴレムを攻撃しメガキャ
ノンチェスターで迎え撃つクロスフェーズ・トラップという作戦
が登場した。
ただし昭和のウルトラでもハヤタの搭乗した特殊潜航艇S号や
ペルシダーにMATサブは最初は成功し苦しめるものの怪獣の逆襲
を受けて失敗するというパターンだった。
それに比べてゴルゴレム編のクロスフェーズ・トラップはδ号が
無事だったものの迎撃するメガキャノンチェスターらが攻略しきれ
ずに…という逆失敗パターンになるわけで、やはり位相空間で失敗
すると救助が絶望的になるという事だろうか。
ネクサスは新しい試みの多い作品ではある反面、こういった伝統
に対するリスペクトがあるというのが分かるだろう。