ボールをつないで攻め過ぎるのも考えもの

 2月29日に再放送されたNHK特集・死闘の果てに日本VS スコット
ランドは、なかなか面白いドキュメントだった。 

 昨年行われたラグビーW杯の予選プール最終戦で決勝トーナメン
ト進出をかけた日本―スコットランド戦を特集しているのだが、
日本が逆転したものの後半21点差からスコットランドの反撃で7点
差になってからの凄まじい攻防が分析されていた。

 面白いのは先制された日本が3つのT&Cで逆転して21-7のリード
からし後半を迎えた時にスコットランドは‘後半はウチが攻める番’
と考えていたのに対し、日本のトニー・ブラウンコーチも‘後半は
厳しくなる’と予測していた事。

 リアルタイムで見ていると後半開始早々に福岡堅樹のT&Cで21点
差にリードを広げた時点で‘スコットランドの心を折った’と思って
いたのだが‘あれだけボールをつなぎまくると相当な消耗がある’と
ドキュメントでの証言を聞いて妙に納得したものだった。

 巷では某ラグビーライターを中心にエディ・ジョーンズ前HCが
仕込んだポゼッションスタイルの素晴らしさばかりがPRされてい
たのだが、ボールを保持して攻めまくるというのはFWを中心にス
タミナを消耗するわけでコレを続けるのは厳しいものがあるとい
う事。

 だからこそジェイミー・ジョセフHCはキックによるアンストラ
クチャーを作るというオプションも採用したわけで、これを織り交
ぜながら行わないと4試合もたないと判断したのではないか。

 ちなみに昨年末にOAされたドキュメントでSO田村優とCTB中村
亮士が日本の5試合に付いて語っていたのだが、ベスト8の南アフ
リカ戦で相手が10人になった時にボールを保持してつなぐ作戦に
切り替えたのが消耗する事になり後半モールを押されてトライを
取られる事になったという話を聞いて妙に納得したものだった。

 つまり日本がベスト8に進めたのは凄まじい運動量をベースに
ボールをつなげた事だったが、それゆえスコットランド戦の後半
あたりからチームとしてのスタミナが落ちて南アフリカ戦では余
力が残ってなかったという事になるのだろう。

 3年後のフランス大会でベスト4を目指すなら誰が出ても同じプ
レーができるようになる選手層の厚さと、ポゼッションとキック
を巧みに使い分けられる事が重要になるのではと実感するものだっ
た。

 

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