11月5日にラスベガスのトーマス&マックセンターで行なわれた
WBOのWタイトルマッチは現役国会議員のマニー・パッキャオが
復帰即世界挑戦し3-0の判定勝ちでウエルター級王者に返り咲いた
のに対し、Sバンタム級王者のノニト・ドネアは挑戦者のヘスス・マグ
ダレノに0-3の判定負けでタイトルを失うという明暗を分けた形に
なった。
確かにパッキャオの復帰&勝利は嬉しいのだが個人的にはドネアが
昔日の面影なく判定負けした方が残念だった。
ドネアはパッキャオの後を追うように階級を駆け上がり特に長谷川
穂積をKOしたフェルナンド・モンティエルを左フック一撃で倒して
バンタム級タイトルを奪取した試合などは凄いの一言だったし、12年
に西岡利晃を倒した試合などを見ていると‘どこまで強くなるのか’
と思った次第。
ところが13年4月に行われたギジェルモ・リゴンドーとの試合で
10Rにダウンは奪ったものの最終Rには目を傷めるなどで敗れると、
フェザー級に上げてシンピウェ・ベチェカに負傷判定で辛うじてWBA
タイトルを獲得したもののニコラス・ウォータース相手にKO負けす
るなど一時の勢いが消えた感があった。
そんな中でSバンタムに戻してWBOタイトルを奪りはしたものの
かつてのできには程遠かったし、マグダレノ戦ではスピードのアドバ
ンテージが完全に喪失し左フックの一発にかける鈍重なファイターに
しか見えなかった。
やはりリゴンドー戦で目を傷めた事と一旦フェザーに上げて再び
Sバンタムに落としたという事が原因ではないかと思うのだが‘フィ
リピーノ・フラッシュ'といわれたスピードも33歳という年齢から
衰えが来ているのかもしれず、ドネアも戦い方の転換を模索する時
期になっているだろうし年齢を経ても衰えないパッキャオの凄さを
改めて実感するのだ。