3横綱安泰、カド番豪栄道5勝目 大相撲九州場所8日目
今年の大相撲九州場所は中日を終えて先場所途中休場した横綱・
白鵬が妙義龍に勝って幕内ただ1人全勝を守っているのだが、一方
昨年の今頃は大人気だった前頭筆頭の逸ノ城が今日の遠藤戦には
勝って2勝目を上げたものの2勝6敗と元気がない。
思えば昨年秋場所に横綱・鶴竜をはじめ大関・稀勢の里&豪栄道
らに勝って13勝を上げ昨年の今頃は関脇として九州場所に臨み8勝
7敗ではあるものの勝ち越していたのだが、今年に入って初場所で
6勝9敗と初めて負け越すと続く2場所は勝ち越したものの名古屋
でも4勝11敗と大きく負け越すなど昨年の勢いは完全になくなった。
マスコミは例によって昨年の秋場所の活躍で逸ノ城を‘怪物くん’
と呼び遠藤と並んで次世代のホープと持ち上げていたのだが、やは
りというべきか取り口を覚えられると意外にモロさを露呈している。
昨年幕内にとんとん拍子に上がってきた時は192㎝で200㌔を越す
体のアドバンテージを利用した取り口が目立ったのだが、最近では
巨体を持て余すようになっているのが気になるし以前必ず1分越えの
激戦を展開していた照ノ富士には先に大関に昇進されている。
今場所も上位との戦いばかりという要素もあるが勝った琴奨菊戦
以外は全く見せ場も作れずに敗れるなど苦しい土俵が続いている
のが現状だ。
考えてみれば30年ほど前に上位に上がってきた時は旋風を巻き起
こしていた小錦ですら徐々に取り口を覚えられて、巨漢ゆえの下
半身の故障にも悩まされ初優勝したのは旋風を巻き起こしてから
実に5年が経っていた。
逆に言えば一時旋風を巻き起こしたとはいえ経験不足という
マイナス面もあるのだから、その勢いのまま大関や横綱に昇進
するというのは大いに問題があるし相撲界のレベル自体が疑わ
れるだろう。
それを考えると逸ノ城も苦戦するのは仕方ないが、その苦戦を
どこまで将来の糧にできるかという事になる。