ミラーマン4話:コバルト60の恐怖

 タイトルに出てくる‘コバルト60’って何?と最初に思ったのだが、インベー
ダーが分身怪獣マルチに変身するためのアイテムだった。

 ただし このEPに登場するマルチやコバルト60も確かに脅威かもしれないが、
今回のEPで最も印象的なのはインベーダーを誤って轢き逃げしたカップルの
心の葛藤がメインという大人向けの内容になっている。

 ある夜に球形植物園を爆破したインベーダー2人組はバイクで逃走中に塚本
郁夫が運転する車と衝突事故を起こし、撥ね飛ばされたインベーダーは郁夫の
車に同乗していた恋人の伸子に金属製の箱を渡して息絶える。

 ところが郁夫は伸子を乗せて そのまま逃走してしまうので、自首しようとする
伸子と将来の事を考えて そのまま隠し通そうとする郁夫の間に溝ができる。

 一方SGMは球形植物園の爆発事故はコバルト60を盗み出したカムフラー
ジュだったという事を突き止め、コバルト60を探しに行くのだが見つからない。

 その頃 郁夫が運転する車がインベーダーに付け狙われ車に爆薬を仕掛けられ
て負傷し病院に運び込まれるのだが、そこへ京太郎が轢き逃げ事件の事を聞い
ていたところ伸子が白状するものの被害者がインベーダーだった事を知り安心
して大笑いする。

 その時に壁に隠れていたインベーダーから発射された光線を頭に受けた伸子
は操られるまま湖のほとりにやって来て、待ち構えたインベーダーにコバルト60
の入った箱を渡してしまう。

 追いかけてきた京太郎と格闘になるがインベーダーは分身して京太郎を翻弄
した挙句、コバルト60を かざし円盤から照射された光線を浴びるとマルチに
変身した。

 京太郎もミラーマンに変身してミラーナイフでマルチを倒し事件は解決したかに
思えたが、轢き逃げした挙句 被害者が人間ではないと分かった途端に大笑いを
して反省の色を見せない郁夫に対して伸子は別れを告げ去って行った。

 脚本が4話目にしてメインの若槻文三から藤川桂介が担当しているのだが、
事件に巻き込まれたカップルの女が男の本性を知ってラストで分かれてしまうと
いうのは怪奇大作戦のオヤスミナサイを思い出す。

 実際ミラーマンとマルチの戦いはインパクトが小さいし、分身怪獣という触れ込
みながらインベーダーの姿の時には確かに分身していたがマルチになってから
は分身しないというのは子供の頃‘?’だった。

 それでも最後にカップルが破局するというのは凄く印象に残っていたし、今回の
EPはSGMとは全く関係ない2人が巻き込まれるという初めての展開だった。

 余談ながら郁夫はウルトラマンエースでTACの兵器開発部主任の梶を演じた
中山克巳だし、伸子を演じたのは未来少年コナンのラナなどアニメでヒロインの
声を多く担当している信沢三恵子 だったのは意外だ。
 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
「さようなら……」 (柴田真紀)
2012-01-01 02:36:57
エンゲージリングを外して、去っていく……。
それを、ただ見送るだけの京太郎……。
変身ヒーロー物エピソードラストシーン、№1選手権をやったら、上位に投票したいラストでした。
『ミラーマン』は他にも、けっこー「アダルティ」なラストシーンが多く、子供の頃より、オトナになって見た今のほうが作品の良さがわかりますね。
また、「コバルト60」という言葉を覚えたのも、これがきっかけでした。
 
 
 
たしかに (こーじ)
2012-01-02 00:22:02
>柴田真紀様
 たしかにラストシーンは今にして思えば子供向けを
逸脱してますよね。

 そういえば帰ってきたウルトラマンのテロチルス編でも土壇場になってフィアンセの人間性に気付いたヒロインという図式がありましたから、この頃の作品では大人向けの演出が子供番組でも行われていたという事でしょうね。
 
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