シカゴ・カブス‘ヤギの呪い’未だ解けず

　昨日MLBのナショナルリーグ・ディビジョナルプレーオフでシカゴ・
カブスは、LAドジャースに地元のシカゴでも敗れて 3連敗となり
リーグチャンピオンシップにも進めなかった。
　1908年のWシリーズ優勝から100年目の今年は福留孝介を獲得して
一昨年のオフからの補強選手もフィットし、ナショナルリーグ最高
勝率を誇った。
　にも拘わらず昨年に続いての3連敗である。

　カブスといえば45年にWシリーズでデトロイトに3勝4敗で敗れて以来
Wシリーズの出場もない。
　2勝1敗で迎えたG4でいつもヤギを連れて入場するカブスの熱烈な
ファンがヤギの入場を断られ‘2度とリグレー・フィールドでWシリーズが
開かれる事はない’と呪いをかけたという。
　いわゆる‘ヤギの呪い’と言われるものだが、実際それからカブスは
リーグ優勝すらできず。

　03年のリーグチャンピオンシップではフロリダ相手に初戦を落とした
後に3連勝し地元でのG6で勝てばリーグ優勝までこぎつけた。
　ところがリードして迎えた8回に3塁のファールフライをスタンドのファン
からジャマされ落球してから逆転負けを喫し、G7も敗れてリーグ優勝を
逃すという悲劇に見舞われている。

　今年は昨年に続きナショナルリーグの中部地区優勝し、リーグ最高
勝率だったため‘今年こそは’という思いが強かった。
　ところがワイルドカードのミルウォーキーよりも勝率の低いLA ドジャー
ス相手の3連敗である。

　鳴り物入りで入団した福留も7月から調子を崩しプレーオフでも 3試合
で僅か1安打に終わった。　

　実はLAエンゼルスも今日は勝ったもののボストン相手に苦戦中。
　LAエンゼルスもアメリカンリーグ・西地区では、圧倒的な強さを見せての
地区優勝だ。
　どうも独走優勝というのはポストシーズンに向けて、緊張感を欠く事に
なりやすい傾向が強いのではないかと思えてしまう。　

　ただでさえ短期決戦は難しいし、勢いに乗ったチームが有利だ。
　となると熾烈な優勝争いを演じて優勝した方が勢いは付くのが当然で、
カブスが勢いに乗り損ねたのは仕方のない事かもしれない。

　そういえば監督のルー・ピネラはシアトルの監督時代の01年に、シー
ズン106勝を挙げながらチャンピオンシップでNYヤンキースに 1勝4敗
で完敗している。
　Wシリーズを制した事があるピネラにしても2度にわたる独走優勝 -
プレーオフ敗退という負のスパイラルを断ち切れなかった。　

　ボストンは04年にWシリーズ優勝して‘ベーブ・ルースの呪い’が解けて
いるし、昨年も優勝しているのだ。
　一旦壁が破れると憑き物が落ちたように勝ち運に恵まれるのだが、
カブスにそれが来るのはいつだろうか?