自動車学校での騙し

　今から20年前の今日89年9月29日は私が自動車学校に入学した日である。

　私が車の免許を取ってから20年になるが本来なら高校を卒業する頃に
取るのが普通、ところが私の福岡の修行先が ‘車の免許は6年目に入って
から自動車学校に行かせる’という事で卒業間際に免許は取らなかった
のだ。

　福岡から蒲田に移る間は僅か2日だったため、その間に免許を取るわけ
にはいかないから修行が終わってから取る事になった。

　自動車学校の入学式が終わると早速 実技講習と学科講習がある。
　当時は実技講習の1時間目はカー・トレーナーといってゲームセンターの
レーシングゲームのような物があり、アクセルとブレーキにクラッチの踏み
分け方やギアの入れ方をシュミレーションするのだ。

 　ところが始まる前に高校生連中の数人が
‘先生100円玉はどこに入れるのですか？’

と質問しているではないか！

　すると先生方が‘またか’という顔をして‘そんな物はない’
と真顔で応えていた。

　そういえば高3の3学期に先に免許を取りに行った連中が、これから自動車
学校に行く連中に
‘最初の実技講習はカー・トレーナーといってゲームセンターのレーシング
ゲームのような物がある。
　これは10分100円で、途中で足んくなたら恥ずかしいけん絶対100円玉は
5枚準備しとかな恥かくぞ’
と言っていた事を思い出した。　

　つまり先に自動車学校に行った連中が、後から行く連中を騙して楽しんで
いたのだ。

 ‘相変わらず やっているのか・・・’と伝統が守られている事に対し妙に嬉し
かった。