京口が最軽量のコンプレックスをバネに日本最速世界王者
昨日大田区総合体育館で行われたWBA:Lフライ級タイトルマッチと
IBFミニマム級タイトルマッチのWタイトルマッチはセミのLフライ級
で王者の田口良一が1位のロベルト・バレラに9RTKO勝ちし6度目の防
衛に成功すると、メインのミニマム級も9位の京口紘人が王者のホセ・
アルグメドとの激戦の末にダウンを奪うなど果敢な攻めを見せ3-0の
判定勝ちでキャリア15か月という最短キャリアでのタイトル奪取に
成功するなどワタナベ勢が連勝という最高の結果になった。
昨年の大晦日に3位のカルロス・カニサレスと対戦し5度目の防衛に
成功したものの三者三様の引き分けわけだったため、今回の防衛戦で
は危機説もあった田口だがWBO王者・田中恒成との統一戦に対するモ
チベーションから思い切ったアタックを敢行。
スイッチを繰り返すなど試合巧者のバレラ相手に空転するのではと
いう不安感もある中でロープに押し込んではボディを叩き続け、遂に
失速させての9Rストップ勝ちなのだから十分な統一戦へのアピールに
なっただろう。
そして田口を差し置いてメインで起用された京口は辰吉丈一郎の教
え子というキャッチフレーズだったのに対して、王者アルグメドは超
変則であらゆる角度から思い切ったパンチが飛んでくるというのを見
ると辰吉と死闘を繰り広げたビクトル・ラバナレスを髣髴させる相手
だった。
実際15年の大晦日に高山勝成から負傷判定でタイトルを奪っている
アルグメドはキャリアの浅い京口にとっては難しい相手で、特に厄介
なのはパンチと一緒に飛んでくる頭。
試合が始まるとスイッチしながらあらゆる角度から思い切り放つ
パンチは迫力満点で時おり京口が辰吉直伝のボディブローを打ち込
むものの、委細構わず突進して来るので押されまくって見栄えが今
ひとつでペースを握られた感じだ。
ただ前半から打ち続けたボディブローが徐々に効果を上げてきて
7R辺りからペースを掴むと、9Rにボディブローをフェイントにして
ガードが下がったところに左フックが顔面にヒットし右の返しでダ
ウンを奪う。
さらに追撃をかけてストップ寸前まで追い込むがゴングに逃げ込
まれ残り3Rを猛然と反撃してくるのだが、京口も負けずに打ち返し
12Rを終了。
個人的には悪くても114ー113で勝ちかと思っていたら116-111
が2人と115ー112が1人の3-0での判定勝ちで京口がタイトル奪取。
8戦のキャリアながらダウンの経験もなく変則でやりにくい王者
からダウンを取って3-0の判定で勝つのは素晴らしい事だった。