夏の甲子園を目指す福岡県予選は今日でベスト16が出揃ったの
だが、残念ながら私の地元で上位進出を期待された田川が3回戦
で育徳館に9回表で逆転され2-4で敗れて姿を消した。
今年の田川は春の九州大会予選でベスト8に進出して西日本短付
相手に延長14回で0-1とサヨナラ負けしたもののエース・秋山が延長
13回まで無失点に抑えるなど評判もよく、当然ながらシードされて
いたので上手くいけばベスト8もと思われたのだ。
今年の福岡は雨が多く日程の順延が多かったし3回戦の育徳館戦は
9回表に雨が激しくなり、コールドゲームの引き分け再試合となって
いた。
気になるのは育徳館はエースの大森が連投し17イニングを投げた
のに対し、田川は再試合では控えの藤松を6回まで投げさせ7回から
秋山にスイッチした事を批判する声が出たりしないかというもの。
後半の日程を引いた田川は前日の育徳館戦が再試合になったので
4回戦まで3連戦となった事から秋山に27イニング投げさせるのは
先の事を考え厳しいと判断して6回まで温存したのだろう。
しかも引き分け再試合となった試合は2-0とリードしながら終盤
追い付かれ、9回表1アウト満塁のピンチを迎えた時点での中断だっ
た事を考えると秋山を6回まで投げさせないという判断は適切だと
思う。
エースを温存して控え投手を登板させて負ける場合は控え投手に
大舞台の経験がなく前半で大量失点するというパターンだが、昨日の
田川の場合は6回1失点だから批判されるべきではない。
実際 田川に勝って4回戦に進出した育徳館は今日もエースの大森
を登板させたものの青豊相手に1回に1点を先行され4回に3点を奪い
逆転した直後に4失点して再逆転され最終的には3-11の7回コールド
負けを喫しており明らかな3連投ゆえの疲労が原因だろう。
どうしても高校野球には今でも‘エースと心中’的な考えが根強
いため控え投手を登板させて敗れると批判されるケースが多いが、
これこそがエースに過度な負担をかけ故障を誘発させる温床になる
わけで特に選手層の薄い公立校はその傾向が強い。
それを考えると田川は現実的な判断をし上位進出への賭けに出た
わけだから‘勇気あるチャレンジ’と賞賛されても‘なぜエースを
連投させなかった’と批判するのは進化を否定するものではないだ
ろうか。