ウルトラセブンEP30・栄光は誰れのために

 後に悲劇のヒーロー・ライダーマンの結城丈二や、電人ザボーガーを
コントロールする大門豊を演じた山口豪久がウルトラ警備隊の準隊員・
アオキ役でゲスト出演。
 ウルトラ警備隊というのは、地球防衛軍の極東基地300 人の隊員の
中から選ばれたエリート隊員である。
 ある意味とてつもなく高いハードルを クリアしないとなれないものだ。
 それに憧れる才能あふれる隊員がアオキだ。 ただし才能あるゆえ、
決定的なモノがアオキには不足していた。
 それは何かと言うと・・・・・

 翌朝の6時から星が原で行われる野戦訓練のために、フルハシとアマギ
が屋外射撃場で射撃練習をしている所に現れたのがアオキ隊員。
 ここで抜群の射撃の腕前を披露する。
 続いて飛行訓練を行うが、アオキは実弾でキリヤマとダンが乗った
訓練機の吹流しではなく機体を狙うのだ。
‘手心を加えろっていうんですか、私たちは敵機の侵入を告げられて出て
きたのですよ。そんな馴れ合いの訓練でお茶を濁して、何の役に立つん
です’とアオキは言う。 

 謎の地震があり、地震源が訓練地の星が原付近と分かったのでダンと
アオキが調査に行く。
 これをチャンスと考えたアオキはダンを出し抜いて手柄を立てようとする
のだ、これがとんでもない事件を引き起こす。
 地中レーダーに反応したので勝手に砲撃を加えたり、野戦訓練の戦車を
コントロールするマグマライザーに発信装置を操縦する隊員には秘密に
取り付け囮に使おうとする。
 実際に発信装置に付けたマグマライザーは敵に襲われ、操縦していた
隊員達は死亡。マグマライザーも乗っ取られる。

 マグマライザーからコントロールされた無人戦車隊から、実弾攻撃を
受けた防衛軍は甚大な被害を出してしまうのだ。
 マグマライザーを奪回するべく近づいたダンとアオキだが、戦車隊の
砲撃の至近弾でダンが気を失う。
 チャンス到来と考えたアオキは、手榴弾で戦車を撃破。
‘これで勝った’と思ったのが命取りに・・・・・
 直後にマグマライザーの砲撃を至近距離で受けた青木は、瀕死の重傷を
負う。 

 意識を回復したダンはマグマライザーに乗り込むが、操縦室にはプラス
チク星人がいた。
 セブンに変身して巨大化した星人との戦いが始まった。
 一旦、恭順のポーズを取ったので油断したセブンを背後からプラスチック
液を吹きかけて固めるがセブンは跳ね返す。
 そしてエネルギー切れ寸前まで死闘を演じ、最後はウルトラビームで
星人を炎上させた。

 しかし星人は死んではいなかった。

 瀕死のアオキの所にやってくるダンだが、アオキは最初の偵察の時に
敵の宇宙船を発見したものの自らの手柄のために報告しなかった事を
告白した。
 それを聞いたダンは‘なぜそれを早く言わなかったんだ、そのために
何十人という隊員が・・・’と言って瀕死のアオキを殴る。
 許しを請うアオキの目に、骨と化した星人が襲いかかろうとしているのが
写った。

 背を向けているダンは気付かない。

 アオキは最後の力を振り絞ってウルトラガンを発射し星人を撃ち倒し
‘これが、あなたに対する償いです’と、呟いてアオキは死んだ。 

 プラスチク星人は存在感は地味だが、騙まし討ちしたりセブンを活動
限界寸前まで追い込んだりと(ビームランプが点滅していた)意外に強い。
 しかも後のターミネーターのように、倒されても骨だけになっても襲い
かかる執念深さを持っている。
 ターミネーターよりも設定が古い事に注目したい。  

 エリート隊員の功名心から来る暴走が生んだ悲劇だが、実際の世界でも
ありえる話。
 実はウルトラ警備隊の隊員達はエリートという設定だが、アオキほど
優秀には見えない。
 そういう意味ではアオキは優秀すぎたという事か?
 こういう防衛チームに大事なのは、チームワーク。
  アオキがウルトラ警備隊員になるために欠落していたものは ‘自らの
功名を上げるためには仲間を犠牲にしても構わない’ という考え方の
持ち主だったゆえかもしれない。    

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