仮面の忍者・赤影は東映テイストの元祖

　今から50年前にOAされていた仮面の忍者・赤影は今頃が卍党
編の真っ最中だった。

　仮面の忍者・赤影は横山光輝原作で読んでみると真面目な忍者マ
ンガだったわけで最初の金目教編などは金目像がロボットだったと
いう東映テイストが入っていたものの、それなりに原作に忠実な作
りになっていた事から違和感はなかったのだが卍党編になると一変
して東映テイスト全開になる。

　なにせ大まんじと呼ばれる空飛ぶ円盤要塞を本拠地として暗躍し
卍党の忍者達も戦国時代の時代考証を豪快に無視しているのだから、
ここまで来ると感心するし突っ込む気にもならなかった。

　更に当時は怪獣ブームだった事もあり後半の根来編や黄金の仮面
編になると、敵忍者が操る忍獣と呼ばれる怪獣までた登場するので
横山光輝原作の雰囲気は影も形もない。

　これは東映作品全体に言えるもので看板作品である仮面ライダー
でも原作を読むとTV版との あまりの違いに驚くし人造人間キカイ
ダーやイナズマンなどの石ノ森章太郎作品や、マジンガーZやデビ
ルマンなどの永井豪作品でも然り。

　マジンガーZを作った兜十蔵博士が原作ではマッドサイエンティ
スト然としていたのが、アニメ版では正義感溢れる博士になってい
るのが好例だろう。

　正直言って赤影はともかく石ノ森章太郎作品や永井豪作品を原作
に忠実にドラマorアニメ化した場合、小ヒットはしても爆発的な人
気にはならなかっただろうからエンターテイメントに徹する東映テ
イストというのは悪いものではない。

　その先鞭を付けたのが恐らく50年前の仮面の忍者・赤影だったの
ではないだろうか。