どこも真似しようとしないダイハード打線

 いよいよ明後日から2月に入り日本の野球界はキャンプインする
のだが、日本の野球関係者達はスピード系が好きなようで、ホー
ムラン=HRで得点す
るより機動力を使って得点するスタイルを好
む傾向が強い。

 かつて大洋ホエールズが本拠地を川崎球場から横浜スタジアムに
映した時に多くの評論家やファンが「ホエールズは球場が広くなっ
たのだからHRに頼るスタイルは捨てて機動力で点を取るスタイルに
切り換えるべきだ」という声が多く聞かれ、85年に高木豊・加藤博
・屋鋪要らのスピード系選手を1番から3番まで並べたスーパー
カー
トリオで組んだスタイルは4位に終わったにも拘わらず多くの
関係者
やファンの喝采を浴びた。

 これはジャイアンツが後楽園球場から東京ドームに変わった時や、
甲子園球場のラッキーゾーンが取り払われた時も然りで特にタイガ
ースの亀山務や新庄剛志がデビューした時は‘広い球場の申し子’
メディアが絶賛したものだ。

 しかし今は両翼94mの横浜スタジアムは球界で最も狭い球場の
つになっているし両翼100mの東京ドームですら左中間&右中間

膨らみがないため‘狭い’と言われているのだが、「HRで得点す
るス
タイルに切り替えるべきだ」という意見は聞かないのが現状だ。

 今や‘日本一のピッチャーズ・パーク’といわれているバンテリ
ンドームを本拠地としているドラゴンズは昨シーズン両リーグNo1
の防御率を挙げながらBクラスに沈んだ原因は、1にも2にも得点
力不足というのが自明の理でダヤン・ビシェド頼みの打線というの
が得点力不足に拍車をかけている。

 では他に日本人選手で強打者候補はいないのかという事になるの
だが高校時代超高校級の強打者といわれた堂上直倫や平田良介に、
福田永将や高橋周平に根尾昴ら枚挙にいとまがないにも拘わらず悉
く単打系の打者に変貌させられており現状なら19年ドラ1の石川昴
弥もロングヒッターの芽を潰されそうだ。

 これは‘バンテリンドームは広いのだからHRは外国人に任せて日本
人選手は俊足巧打型を揃えるべき‘という評論家達の常識が、
影響を
与えて長距離打者を巧打者化させているのが現状だ。

 しかし何事にも常識というのは疑ってかかるべきで、その常識を
覆す補強をしていたのがホークスである。

 93年に狭い平和台から広い福岡ドームに本拠地が移った時に例に
よって評論家達は‘これからのホークスはHRに頼る野球は捨て機動
力で点を取るスタイルに変更するべきだ’的な主張をしていたのだ
が、93年オフに巧打者系の佐々木誠を放出しライオンズのHR打者・
秋山幸二を獲得すると世論はトレードの仕掛け人である根本陸夫氏
‘ホークスが秋山を放出して佐々木を取るなら分かるのだが逆だ
ろう’
と一斉に批判したのだった。

 しかし秋山はこの年に入団した小久保裕紀の‘生きた手本’としてで、
翌年は高校通算HR数を誇る城島健司を96年には投手陣が崩
壊して
最下位に終わりながら1位・井口資仁、2位・松中信彦、3位
・柴原
洋という後のダイハード打線の中核になった打者を取ってい
る。

 この時も‘大学No1投手である河原純一ではなく、なぜ城島なのか?’
‘投手陣が崩壊したのに野手ばかり取って’と批判的なコメントばか
りで、賞賛する言葉は聞かれなかったわけだから評論家らと根本氏
との意識の乖離は大変なものがあるという事だろう。

 根本氏が作ったチームといえばカープ・ライオンズ・ホークスと
3チームあるが山本浩二&衣笠祥雄、清原和博&秋山幸二、小久保
裕紀&松中信彦と全て生え抜きの日本人強打者2人を擁しているの
が分かる。

 つまり多くの評論家が主張する‘長打は外国人選手に任せて日本人
選手
は守備の上手い俊足巧打者で固める‘というチーム作りと対極を
しているわけで、コチラがなぜ主流にならないのか不思議な話だ
いつも思うのだ。

 小久保は‘広い福岡ドームだからこそホームラン打者になれた’
常々語っていたのだが、こういった成功体験の発想を他の打者

マスコミがなぜ持たないのか?と思ってしまう。

 

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