辰吉丈一郎の試合の生中継を見た日

 今から30年前の昨日91年5月19日に大阪府立体育館で行われた
バンタム級ノンタイトル10回戦で、プロ入り7戦目の辰吉丈一郎
はWBC:Jバンタム級3位のレイ・パショネスに3-0の判定勝ちし
9月に世界タイトル挑戦への足場固めをした日だ。

 辰吉の試合はプロ入り2戦目のマイク・タイソンが東京ドームで
ジェームズ・バスター・ダグラスに敗れた試合の前座で行われた、
チャーチュード・エウアンサンパン戦を東京在住の友人から送ら
れたビデオで見始めて以来注目していた。

 ただ7戦目のアブラハム・トーレス戦まではコチラでは中継され
てなかったので送ってもらうビデオで見るしかなかったのだが、
このパショネス戦から生中継を見る事ができたのだ。

 パショネスの大振りのパンチをかわしながらコンスタントにジ
ャブを繰り出してヒットさせていくのだが、特に目に付いたのは
多彩な左を中心にしたコンビネーションブローや軽快なフットワ
ークだ。

 これで1階級下とはいえ世界ランク2位のパショネスを翻弄する
のだから‘プロ入り7戦目のキャリアでここまでできるのか!’と、
感嘆するもので‘これなら世界を獲れるのでは’と思ったものだ。

 本人は倒せなかった事を悔しがっていたのだがバッタバッタと
倒すのも魅力だが、10ラウンドにわたって冷静に相手のパンチを
外しながら戦えるというオプションを備えている事が何より心強
かったのを思い出す。

 実はこの日は静岡で前年10月に大橋秀行をKOしたリカルド・ロ
}ペスが平野公夫相手の防衛戦、WBCストロー級タイトルマッチが
行われロペスが圧勝したのだが辰吉の試合の方がノンタイトルだ
ったにも拘わらず注目度や視聴率も高いという凄さだった。

 ただ辰吉は世界タイトルを奪取した試合後に網膜裂肛や網膜剥
離で度々手術を受けた事もあってファイター化してしまい、この
パショネス戦のような試合を見る事ができなくなったのは残念だ。

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