チームのピーキングに ついて  

 4月30日に初めて栽弘義監督に会うまでに手紙を出したり電話
をかけたりして話をしていたのだが、いろいろな事を教えてもら
い大いに勉強になった。

 残念ながら栽氏から教えてもらった話にはブログなどでアップ
できない内容が多々あるのだが、そんな中アップできるネタの1つ
としてピーキングの話があった。

 86年の話だが夏の甲子園が終わった9月下旬頃に電話で話した
時に聞いたのが九州勢は春は沖縄水産・福大大濠・熊本工・鹿児
島商と出場4校が全て初戦敗退という68年春以来の屈辱を味わっ
たのだが、夏は佐伯鶴城・沖縄水産・鹿児島商の3校がベスト8
入りしただけでなく鹿児島商はベスト4に進出したのだった。

 これは三池工が優勝した65年以来の快挙で沖縄だけでなく九州
全体のレベルアップを望まれていた栽監督にとっても嬉しかった
ようだったが、その一方で‘もう1校ベスト8に残っておかしくない
学校があったのが分かりますか?’と聞かれたので‘熊本工ですか’
と聞くと‘その通り’と答えられた。

 思えば緒方耕一や永野吉成らを擁した熊本工は前年秋の九州大
会で優勝し選抜でも優勝候補の一角として甲子園に乗り込んだの
だが、初戦で中国大会優勝の尾道商相手に雨の中シーソーゲーム
の末に6-7で再逆転されて打ち負けていた。

 たたし尾道商は2回戦で夏優勝する天理に勝つなど強敵だった
ので熊工は敗れてなお強しで、夏も楽しみなチームだと思ってい
たら意外にも夏は初戦で横浜商に3-2でサヨナラ勝ちしたものの
本来なら2・3点差を付けて勝てる相手だったし2回戦では上田を
擁する広島工に0-1であっさりと敗れていたのだから個人的には
意外な敗戦だった。

 その広島工に選抜の初戦で0-8の3安打完封負けを喫したのが
鹿児島商で沖縄水産は上宮に1-3、福大大濠は優勝した池田に7
回表まで3-0とリードしながら3-7で逆転負けし熊工は先述した
ように尾道商に6-7で敗れている。

 こうして見ると鹿児島商だけが悲惨な負けをしているので夏は
厳しいのでは?と思っていたら選抜出場の松商学園・県岐阜商・
前橋商に勝ってベスト8入りすると、長谷川滋利がいた東洋大姫路
相手に3-1で逆転勝ちし準決勝で優勝した天理に6-8で敗れたの
だが一時は1-7から1点差まで迫っているのだから大健闘と言って
いいだろう。

 これを栽監督は‘熊工は昨秋から春までがピークで夏は下り坂
だったのに対し、鹿児島商は夏にピークが来たから’と教えてく
れたのだ。

 それまで高校野球はトーナメントだから一戦必勝で戦っている
というのが個人的な感覚だったのだが、やはりそれでは勝てない
し甲子園でベスト8の常連である豊見城や沖縄水産はそういう事
まで頭に入れたチーム作りをしていたのかと感心したのだった。

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