先日ちびまる子ちゃんの中で まる子が、友蔵じいさんが購入した
殿様キングスの涙の操のレコードで大喜びして聴きまくったり風呂
で父親と一緒に歌い父親がのぼせてしまう話があった。
この話では学校で友達と どっちが上手く歌えるかと競うシーンも
あったりと、当時の子供達の雰囲気をしっかり表している。
ちょうど友蔵がまる子に涙の操のレコードを見せた時に私が子供
達に‘この歌は’と最初の部分からコブシを利かせて歌ってやると
感心されたのだが、考えてみれば あの頃は祖父母世代や両親世代が
歌うような歌も我々子供達も歌えていた。
今にして思えば殿様キングスや ぴんから兄弟の歌うド演歌をよく
意味も理解せずに歌っていたものだと感心するし、一方で西城秀樹や
郷ひろみに山口百恵やアグネス・チャンの歌なども何の抵抗もなしに
歌っていたもの。
ところが最近は歌番組が完全にジャンル別に分けられているという
事もあって世代間で共通して歌える歌が少なくなっている傾向が強く、
当然ながら子供達は今流行の演歌などは知らないわけだ。
03年に義母の実家に帰省した時に地元の祭りに嘉門達夫がゲストで
来ておりトークの中で‘最近は世代間で知名度のある歌が違うので替
え歌メドレーのような企画がしづらくなっている'と語っていたのを
今さらながらに思い出した。
つまり専門知識が深くなる反面あまりにジャンルが先鋭化されて
しまい他の話題に付いて行けなくなるという現象が起きているわけ
だから、こういう話を聞くと我々は多様な音楽を共有できた時代を
過ごせたので いい時代を過ごせたと思うのだ。