今から50年前の今日69年2月9日にOAされたのが、怪奇大作戦
22話・果てしなき暴走。
車のエンジンオイル内にジャーマンガス=Gガスの一種を発生さ
せる物を混入し排気ガスと一緒に空中に噴霧して、吸引した者に中
毒症状を起こさせ車の事故を誘発させるというもの。
意外なのが三沢が立ち寄ったガソリンスタンドで電話中にフーテ
ンのカップルからトータス号を乗り逃げされたばかりか運転してい
たフーテン達が例のGガスを吸引し人身事故を起こすだけでなく、
野村が購入した中古車で三沢を乗せてドライブ中に撒き散らされた
Gガスを吸引し暴走してしまうなどSRIにとって受難のEPだ。
そのGガスを排気ガスに混入して噴霧していたのが赤いスポーツ
カーで、持ち主は歌手の眉村ユミだった事から三沢は遠隔操作がで
きる特殊改造車に乗り込みユミの車の後をつける。
案の定Gガスが噴霧され三沢に錯乱症状が出たのを感知したSRI
は遠隔操作で三沢を脱出させると同時に、事件で暴走した車の残骸
からGガスの粒子を発見しユミの車の整備担当者をマネージャーに
尋ねると駐車場の整備員との事。
そこでユミの車を見張っていたところ例の整備員がボンネットを
開けて細工をしていたのでSRIのメンバーが一斉に飛び出すと、驚
いた男は駐車場の出口まで逃げたところに飛び込んできた1台の車
から撥ねられてしまい搬送中の救急車の中で‘頼まれただけ’‘くる
ま’と言い残して息絶える。
こうして犯人が逮捕されないばかりか、何のためにGガスを使っ
て暴走行為を誘発させていたのかも判明しないまま物語は幕を閉じた
のだった。
つまり犯人とみられた男がSRI隊員達の目の前で轢き殺された事
から最終的に真犯人が特定されないばかりか犯行動機も最後まで分
からないという結末は市川森一作品らしく、動機がハッキリしない
無差別殺人を描いた上原正三のかまいたちと同じ系列で一歩踏み込
んだものと言えるだろう。