W杯で結果を残すには脱ポゼッションの方がいい

ハリルホジッチ監督が強調した「日本人ポゼッションの呪縛」。日本と欧州を比較する。

 先日ヴァイド・ハリルホジッチ監督が10月の親善試合のメンバ
ーを発表した時に、ボールポゼッションに拘らない‘脱ポゼッショ
ン宣言'をして話題になった。

 日本は長らくボールポゼッションに拘る理念で戦っていたのだが
相手より少しでも長くボールを保持している方が、失点する心配は
ないし攻撃にも結び付けられるという理由からだろう。

 ただポゼッションを全面に出すと点が取れない時に横パスが横行
するだけでなくカウンターを喰うリスクも出てくるわけで点を取る
ために相手DFを崩すべきパス回しが、ややもすれば攻撃を継続し
点を取られないための手段に成り下がってしまう傾向が強く‘パス
は回れどシュートがない’というシーンが日本のお家芸になっていた。

 つまりシュートを打つための手段としてのパス回しやポゼッショ
ンが、いつの間にかボールを失わないための目的になってしまって
いたのだ。

 たしかにバルセロナやスペイン代表のようなスタイルは見栄えが
いいし人気もあるのだが最近のヨーロッパの強豪クラブでは一時期
流行っていたポゼッションスタイルから、敵陣で相手にボールを持
たせカウンターを仕掛けるショートカウンターが主流になっている
のが実情だ。

 更にNBAでもゴールデンステート・ウォリアーズが平均得点が
1位なのにボール保持時間は最も短いというデータに見られるよう
に、他の競技でもポゼッションに拘らないスタイルをチラホラ見る
ケースが増えてきている事にも注目したい。

 ちなみにサッカー日本代表はポゼッションに拘らなかった10南
アフリカ大会ではボール保持時間は31位だったにも関わらずグル
ープステージ突破を果たしたのに対し、保持時間が7位だった14
ブラジル大会では1分2敗という成績でグループステージ敗退して
いるのだから世界相手にボール保持時間を長くすれば勝てるという
発想は時代遅れという事になる。

 マスコミは‘日本人の長所は小回りの利く敏捷性だから、それを
生かした戦いをするべき’という事からショートパスをつないで崩
して行くスタイルを推奨しているのだが、全員がチームのために骨
惜しみせずに戦い抜く戦術理解能力を生かさない手はないしトルシ
エはコチラの方を重要視して02大会でグループステージを突破と
いう結果を残した。
 
 それらの事を考えるとハリルホジッチが強調する脱ポゼッション
という考えは格上相手としか対戦しないW杯対策としては現実的
だし、いくらいいサッカーをしてもグループステージ敗退では評価
されないという事を忘れてはいけない。

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