‘円盤が来た’は名作なのか?

 今から50年前の今日68年8月11日にOAされたのがウルトラセブ
ン45話・円盤が来た。

 サイケ宇宙人・ペロリンガ星人が登場し大円盤群で地球を一気に
制圧しようと考え円盤を強力な磁気と不透視バリアで星にカモフラ
ージュして各地の天文台や観測所に見えないようにし、地球に侵入
しようとするがアマチュア観測者には円盤に見えるようにしていた。

 そして少年に化けてアマチュア観測者のフクシン三郎に近づいて
イソップ童話のオオカミ少年の如く‘円盤発見’の誤報を流し続け
させるなど地球側を油断させ、そのスキに地球を侵略しようとする
のだがパトロールに出撃したホーク1号に円盤群は壊滅させられ巨
大化した1体もセブンとの戦いで撃破されるという結末。

 このEPは実相寺昭雄監督が川崎高のペンネームで上原正三との
共同脚本という事になっているが、43話・第四惑星の悪夢と一緒
に製作されており第四惑星の悪夢が上原正三主体で書かれている
のに対し円盤が来たは実相寺監督が主体で書いているだけあって
実相寺ワールド全開で故に今ひとつ面白味がわかないというもの。

 メトロン星人編同様に町工場などが舞台になっており、庶民感
溢れるテイストで物語は進み町工場に務めるアマチュア観測者の
フクシン三郎が円盤群を発見しウルトラ警備隊に通報するものの
地球防衛軍の観測班には星にしか見えない。

 そこで軋轢が生じ何度か通報するものの徐々に相手にしてもら
えなくなっていくわけだが‘プロはアマチュアより優秀’という
固定概念を皮肉った内容になっているし、スカイドン編同様フル
ハシがパジャマ姿で深夜の作戦室にいるシーンまである。

 最終的にフクシン三郎の持ち込んだ写真が‘星が一瞬の露光で
写るわけがない’という事で、星にカムフラージュした円盤群と
いうのがバレてホーク1号と戦闘状態になるわけだが、ホーク1号
1機・それも3機に分離しない状態で壊滅させられるのだから決し
て強くない。

 さらにセブンと星人の戦いもワケのわからないまま最終的に何
か爆発して決着が付いたようで、ウルトラマンのシーボーズ編の
戦闘場面をスチール写真の連続で処理したような演出だった。

 以前も記したように83年頃に出版された朝日ソノラマのセブン
版・ファンタスティックコレクションでは円盤が来たは狙われた
街やノンマルトの使者と並ぶ傑作選ベスト3に名を連ねていたの
だが、このペロリンガ星人編だけは何度見ても微妙で正直言って
凡人には分からない面白さがあるのかと思ってしまうワケである。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« 2018夏の甲子... 2018夏の甲子... »
 
コメント
 
 
 
マツコの知らない世界で (餃子少年)
2018-08-15 16:46:44
この回が紹介されてました。https://www.google.co.jp/amp/s/dogatch.jp/news/tbs/47967/amp/
紹介した方の解釈では「偏見を持たずに人の言葉に耳を傾けよう」でしたが、なんかちょっと違うような気がするのは自分がひねくれているからでしょうか?
 
 
 
見ましたよ (こーじ)
2018-08-15 22:41:21
>餃子少年様
 
 私も見てまして、メッセージは分かるのですが当時の子供がワクワクするシーンが全くなく特に戦闘シーンは
‘何じゃこりゃ’でしたからね。

 名作というからにはメッセージ性もですが、それなりに楽しめないとダメでしょうから第四惑星の悪夢の方が名作と思うのですが。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。