30年前の年配者との会話

　今から30年前Jリーグが開幕し一時サッカーブームが起こったの
だが、今は亡き年配客が‘わしゃ野球は好きやけどサッカーはあま
り好きじゃない、サッカーはルールが分からんけん’と語っていた。

　正直言って野球のルールは多くのスポーツに比べて複雑で野球の
ルールが分かれば他のスポーツのルールは分かるはずだが…と思っ
ていたら、どうもルールが分からないのではなくサッカーは4－4－
2や3－5－2に4－5－1などの多彩なフォーメーションがあるのを理
解できないのだろうと思っていた。

　つまり‘1番が出塁して2番がバントで送り1アウト2塁でクリーン
アップ’という状況が当然と思い込み1アウト2塁を作らないと苦言
を呈するタイプに限り、前述したような多彩なフォーメーション
には付いて行けず結果‘ルールが分からん’という事になるのだろう。

　しかもこういった方々に限って‘サッカーは点が入らんから面白く
ない’と言う一方、野球で8－7というルーズベルトゲームのようなス
コアになると‘こんな大味な試合展開は投手陣のレベルが低い、1－0
のようなレベルの高い接戦を見たい’と声高に言う。

　ただサッカーなどのフットボール系は時間制限があるので引き分
けがあるのに対し、野球はバレーボールやテニスなどのように21点
入るまで終わらないルールだったので決着がつくまで行うのが主流
になっている。

　だからMLBをはじめとしたカリブを含んだアメリカ大陸系の国は
立ち上がりからバントをせず、ルーズベルト大統領がベースボール
のベストスコアは8－7と語るわけだ。

　まぁ個人の好みがあるのは理解するが日本のマスコミが、そうい
うセオリーやルールが変わる事を全く理解せずに批判ばかりしてい
た結果こういった年配者が増えたのではないかと思う。　

　そういった意味ではJリーグの誕生は、スポーツの世界基準への
扉を開けたと言っていいだろう。