層の厚さこそが強さ

 3月14日まで行われていたフィギュアスケートの世界ジュニア選手権で男子
シングルで羽生結弦が、女子シングルで村上佳菜子が優勝し男女アベック
優勝となった。 

 これは05年に織田信成と浅田真央でアベック優勝して以来の快挙らしい
が、次世代の若手選手が台頭してきて頼もしい限りだ。

 日本のウインタースポーツの最大のウィークポイントは選手層の薄さだが、
ことフィギュアスケートに関しては先進国と変わらないぐらいの層の厚さに
なっている。

 特に女子の場合は今回出場枠が3枠あるにも拘わらず中野友加里や村主
章枝といった長野の頃なら確実に代表になれた選手が落選しているのが
その証拠だろう。

 考えてみると その競技の強さは層の厚さと比例する。

 ノルディック複合が団体で五輪連覇をしていた頃はエースの荻原健司や
河野孝典に阿部雅司だけでなく、荻原次晴や古川純一といった若手もいた。

  ジャンプでは長野の頃に船木和喜・原田雅彦・斉藤浩哉に岡部孝信という
団体の金メダリストだけでなく、葛西紀明や吉岡和也をはじめ今なら代表に
なれているような選手が多かった。

  スピードスケートの男子短距離でも92アルベールビルの頃から宮部兄弟
に黒岩敏幸・井上純一・堀井学・清水宏保らW杯で表彰台に上がった選手
達が揃っていた。

 ところが不思議な事に下降線を辿り始めると選手層も一気に薄くなって
しまう。

  ジャンプでも02ソルトレイクシティでデビューした山田大起や06トリノで
デビューした一戸剛などが経験を積んでバンクーバーで主力になると思い
きや伸び悩み、06トリノでデビューした伊東大貴が今回 準エース格で出場
しているぐらいの状況だ。

 スピードスケートも今回は銀と銅を取ったものの銀メダリストの長島圭一郎
は27歳で銅メダリストの加藤条治は25歳。
 他にはトリノ4位の及川佑が29歳で太田明生が加藤と同い年の25歳という
事は若手が育ってないのが よく分かる。

 ジャンプが88カルガリーの団体戦で最下位に沈んだときにW杯の全戦参加
という方針を打ち出し、とにかく選手層を厚くする事を最初の目標にした
らしい。
 それが10年後の長野の栄光につながったと思う。

 低迷している競技は原点に立ち返って若手を しっかりと育成し、選手層を
厚くする事から始めるべきだろう。
 一握りの選手のみが強くても本当の強さではないのだから。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (捲土重来鷹男)
2010-03-17 06:16:00
フギャアに逸材が、また出てきましたが、才能に磨きをかけてくれる名コーチが存在するのですかね?
 
 
 
それが問題でしょう (こーじ)
2010-03-17 23:43:48
>捲土重来鷹男様
 今はコーチに振付師まで必要になっている時代ですからね。
 コーチと振付師の相性も重要になってきてますから
今のフィギュアも大変な時代になってます。

 浅田真央のタラソワコーチは有能ですけどロシアでしか見ないという事に対し、浅田陣営は日本国内での活動に拘っていたというズレなどが問題になってます。
 
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