Episode 32:影・アンノンウンハンド

 いよいよウルトラシリーズ稀代の悪役・溝呂木眞也のラストEP。

 予告編を見たときにはダークメフィストが2体出て戦っていたので
‘相手は誰だ?’と思っていたのだが、意外な人物がメフィストに変身する。

 とはいえ再登場した溝呂木が記憶を失っていて拘束されるまでの Ep
29はDVDでディレクターズカット版が見られたので、今回は その半分で
終わってしまうのは中途半端な感じで惜しい。

 ‘溝呂木眞也、今は見る影もないな。
 あなたは我々にとって恐るべき脅威だった。
 力による支配、その歪んだ目的のためにあなたは多くの人間の
心を利用し命すら奪った。

 悪魔の力を得たあなたは終焉の地でウルトラマンに戦いを挑み
全てを失った・・・・・・・その記憶さえも。
 だが我々は知る必要があるのです、かつてあなたが手に
入れた恐るべき力の秘密を・・・・’

 TLTで拘束された溝呂木は姫矢がされたのと同じ脳のスキャニングを受
けるなど管理官から過酷な尋問を受けていた。

 管理官は姫矢からウルトラマンのオーバーレイシュトロームの威力を
持つエネル
ギーを奪ったように溝呂木からも奪おうとしているのだろうか。

‘オレは何者なんだ!’と苦悩する溝呂木の耳に
‘オマエは人形。
思い出せ、オマエがやった残酷なゲームを・・・・
 オマエは人形、ただの道具だ!’

という何者かの声が聞こえ、溝呂木は記憶を取り戻す。

 そして‘オレにはまだやるべき事がある’と逃走を図る溝呂木は偶然居
合わせた瑞生を人質に取って基地外に脱出したのだった。
 それを発見し追跡しようとしたMPの三沢は何者かの襲撃を受ける。

 ‘お前は・・・・・’

 溝呂木脱走の一報を聞いたナイトレーダーだが溝呂木の捜索に全員を
出せないという事で凪と孤門の2人が出動する事に。
‘もし私が倒れたらあなたがヤツを撃ちなさい’と凪は孤門に言う。

 何とか脱走した溝呂木だが追っ手に追跡されているだけでなく、足を負傷
して歩くのも大変そうだった。
 溝呂木が脱走した理由は自ら不幸にした家族である山邑一家の娘・
理子に謝るためらしい。
 その理子の記憶を消し損ねたのが人質の瑞生だというのも面白い展開だ。

 ‘オレはあの子から幸せを奪った、だから・・・・・’
‘許されるとは思わない、ただもう1度だけ会ってあの子に・・・・’

 瑞生は負傷している溝呂木の足を応急措置しながら
‘私があなたを理子ちゃんに会わせる、
約束する。だから1度戻って’
と基地に戻るよう説得する。

 ‘なぜだ、なぜオレを恐れない。
オレが過去に何をしたかオマエも知っているはずだ’

‘多分・・・・ちょっと前の私なら信じなかったと思う。
でも今はあなたの言葉がウソじゃないって分かるの’
 
瑞生に肩を借りて山道を歩く溝呂木を発見した凪と孤門。

 このシチュエーションはEp29で記憶喪失の溝呂木が理子と一緒にいた
のを孤門と隊長が遭遇したシーンを思い出す。

 溝呂木の銃を孤門が撃ち飛ばすものの

‘ボクはオマエが憎い、でもオマエの命を奪っても
リコはもう戻って来ない’ 
 と投降を促す2人に対し‘本当に変わった奴らだ’と投降しようとした瞬間
1発の銃弾が溝呂木の胸を貫く。

 犯人は三沢だった。

 ‘溝呂木新也そいつの役目は終わった。
 これからはオレがヤツに代ってこの世界を闇に塗り込める’
と言い放ちダークエボルバーを引き抜いてダークメフィスト・ツヴァイに変身し
暴れ始める。

 そこへ異変を感じた憐が変身したウルトラマンが駆けつけ ウルトラマンと
対峙したツヴァイの目が赤く変わる。
  闇の巨人と初対決の憐はメフィストクローに手こずり、ジュネッスブルーに
タイプチェンジしたもののメタフィールドを展開できず空中戦の末メフィスト
クローの猛攻の前に撃墜され光を吸収されそうになる大ピンチ。

 考えてみれば憐は闇の巨人と戦うのは初めて。
 グランテラやバンピーラなどのビーストとは戦っていたが、ヒューマノイド
との戦いはスピードを武器とする憐にとっては難しかったのかもしれない。
 

 胸を撃ち抜かれた溝呂木は最後の力を振り絞るとダークメフィストに変身。    

‘オマエはもう変身できないはずだ!’

 善の心を取り戻した溝呂木の最後の力という事だろうか。

 闇の巨人同士の戦いが始まるが変身前に受けたダメージで徐々に押さ
れて行き、遂にツヴァイのメフィストクローがメフィストを刺し貫いた。
 だがメフィストはツヴァイを組み止めると‘今だオレに構わず撃て’
躊躇しているウルトラマンに言う。

 ‘何をしている、それが光を得たオマエの・・・・

 オマエの役目だ!’

 意を決したウルトラマンはアローレイシュトロームで2体の闇の巨人を葬り
去るのだった。
 
  短縮された最大の弊害がこのシーンだろう。
  溝呂木と憐に何らかの接点がないと躊躇する本当の理由が分からない。


 

 戦いが終わって憐が覗いた先には樹木にもたれかかった溝呂木に凪が
話しかけていた。

 ‘オレは・・・・ただの操り人形だった。 

 あの三沢という男も同じだ。

 ヤツに心の闇を利用されただけだ、闇の力を持つ・・・・ヤツに’

‘闇の力・・・・アンノンウンハンド・・・・’

 ‘気をつけろヤツはオマエ達のすぐ近くにいる’

 ‘なぜ・・・・わざと撃たれようとしたの?

 あなたは昔、私の目標だった。
 あなたの強さが私を支え、私はビーストと戦えた。

 でもあなたは闇の力に負けた。


 だから私はあなたを憎んだ・・・・・

 憎まなければビーストと戦えなかった。
 

 なのに死んで罪を償うなんて、最後だけ人間らしい顔をして・・・・

そんなの卑怯よ!’

‘凪・・・・・’

‘罪を償うなら生きて!

もう1度人間として・・・・’

‘もう1度人間として・・・・・’

 だが凪の言葉も虚しく溝呂木は雪が降る中、力尽きて凪に
抱かれて息絶えるのだった。    

 一方その頃パソコンを覗きながらある男が

‘目覚めの時は近い・・・・’と呟きながら笑みを浮かべていた。

 その画面では姫矢准・斎田リコ・溝呂木眞也・三沢広之が消され、
千樹憐・孤門一輝・西条凪のデータが記されているのだった。

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