ウルトラマンネクサスのEP35でナイトレーダーは‘ウルトラマンの光’を抽出
するためにTLTから拘束された千樹憐を解放するべく立ち上がるのだが、その
ためには当然ながら孤門が和倉隊長や凪副隊長を説得しなければならない。
和倉隊長は姫矢編の対ガルベロスの頃からデュナミストを少なくとも同じ目的を
持つ仲間と認定していたのだが、立場的にはEP34で ようやくTLT北米本部が
隠蔽していた事実を知らされるなど松永管理官達よりも格下だし放送機関の
短縮で日の目を見なかったものの他のナイトレーダークルーがあるという構想
だったのでワン・オブ・ゼムに過ぎない。
だから姫矢編の時には姫矢が人体実験を受けている事を知らなかっただろ
うし、知っていても異議申し立ては立場上できなかっただろう。
一方の凪副隊長の場合デュナミストやウルトラマンを当初は人間型ビーストと
思い込んで敵視し姫矢に銃を向けたり、憐編になってもデュナミストが必ずしも
全員が姫矢のような高潔な人物という保証はないと孤門に気色ばんで言い
寄っているのだ。
まぁ凪副隊長にとって両親を殺害した人間型ビーストや溝呂木というトラウマが
あるゆえの事だが、隊長と副隊長の2人を説き伏せるだけの説得力が必要だ。
‘憐は ずっと我々と一緒に戦ってきた。その彼を見殺しにして
この先 何を守れますか?’
と、たとえTLTに反旗を翻す事になっても仲間である憐を救う事の意義と覚悟
を隊長に語る。
これを聞いた時に思い出したのが帰ってきたウルトラマンのグドン&ツイン
テール編。
2大怪獣を倒すために超高性能爆薬・スパイナーを使用して東京の街もろとも
焼き払うという上層部の計画を知った郷秀樹が加藤隊長に
‘MATの使命は人々の自由を守り、それを脅かす者と命を
懸けて戦う、そのためにMATはあるのではなかったんですか’
と詰め寄り最終的に上層部に加藤隊長以下全員で自らの作戦を認めさせる
シーンを思い出した。
孤門と郷は共に隊歴が最も短い隊員で和倉&加藤隊長は弱い立場にあると
いう共通点があるわけで、このEPで孤門が隊長を説得するシーンは帰ってきた
ウルトラマン屈指の名EPともいえるグドン&ツインテール編に匹敵するもの
だったわけだ。
異色作といわれているネクサスだが、しっかりウルトラの魂は受け継がれて
いると実感するシーンだった。