新造人間キャシャーンの魅力

　今から40年前の昨日 始まったのが新造人間キャシャーン。

　科学忍者隊ガッチャマンなどを作っていたタツノコプロの作品で、変身した後に
人間に戻れないヒーロー・東鉄也＝キャシャーンの孤独な戦いを描いたハード
路線アニメだ。

　ロボット工学者の東博士は人間に近いアンドロイドのBK-1を作ったものの
落雷のショックで自我に目覚めて自分達を支配している人間に成り代わりアンド
ロイドの王国・アンドロ軍団を結成し人類を奴隷化しようと企む。

　父の窮地を見かねた息子の鉄也は自ら新型アンドロイドに改造されてキャシャ
ーンと名乗りアンドロ軍団との戦いに身を投じていくという設定で、他のヒーローと
違うのがアニメなのに作画数が少なくて済む光線技による決着がなくパンチや
キックなどの打撃技での決着だし敵も戦闘員のような量産型アンドロイドばかり
だった。

　にも拘らず名作といわれるのは機械に頼る文明への警鐘や人間に戻れない
キャシャーンの苦悩などが、しっかり重厚に描かれているからだろう。

　余談ながらキャシャーンのナレーションを担当したのは納谷悟朗で
‘たった1つの命を捨てて生まれ変わった不死身の体。
鉄の悪魔を叩いて砕く、キャシャーンがやらねば誰がやる’
と独特の言い回しで語るOPナレーションが印象深い。

　また科学忍者隊ガッチャマンでコンドルのジョーの声を担当していた元ロカビリー
歌手の佐々木功が初めてアニメヒーローの主題歌を歌った作品でもあり、特に
鉄也の心境を切々と歌ったEDの‘おれは新造人間’は氏の歌唱なくして盛り上がら
ないと思うのだ。