もはや打てないチームに栄光はない！

豪打の伝統は脈々、好打者そろう…日大三(読売新聞) - goo ニュース

　今日行われた夏の甲子園のファイナルで‘東の横綱’といわれた日大三が
光星学院に11－0で勝ち10年ぶりに優勝を飾った。
　
　全6試合で2桁安打を放っただけでなく対戦相手も一昨年の準優勝校の日本
文理、大型チームの開星に豪打で20世紀最後の優勝を飾った智弁和歌山に
春の関東大会王者の習志野、更に今年唯一苦杯を喫した九国大付にサヨナラ
勝ちした関西に悲願の東北勢初優勝を目指す光星学院相手だから凄い事だ。

　思えば昨年も優勝候補といわれファイナルに進出しながら興南相手に3－0
から逆転されて追いついたものの延長12回に突き放されて準優勝。

　夏は予選で敗退し昨秋の明治神宮大会で優勝して優勝候補筆頭で甲子園に
乗り込みながらベスト4で九国大付に完敗するなど優勝できそうでできない。

　というより01年に打ちまくって優勝した後に02年は春と夏初戦敗退し、04年
&05年夏も優勝候補といわれたものの04年は優勝した駒大苫小牧に05年は
ベスト8で宇部商に敗れている。

　更に06年は予選の決勝で逆転サヨナラ負けした早稲田実が駒大苫小牧との
歴史に残る死闘を制して優勝するなど かなり悔しい思いをしたはず。

　09年にも高い前評判だったにも拘らず2回戦で東北から足元をすくわれるなど
勝てそうで勝てなかったのだが、敗れた小倉監督が‘私は打つ野球が好きだ
から、それでも また強打のチームを作って戻ってきます’と言っていたのが印象
的だった。

　21世紀に入って夏の甲子園の優勝校は03年の常総学院を除いてホームラン
なしで優勝したチームはないし、日大三や駒大苫小牧に早実、大阪桐蔭、中京
大中京に興南なども打ちまくっているのだ。

　しかも優勝校はファーストストライクから どんどん打っていくスタイルが定着して
いるので、対戦相手の投手は楽をできないのが実情だ。

　そのためには当然ながらバッティング練習の時間は長くなる。

　今大会では優勝した日大三だけでなく準優勝の光星学院やベスト4に入った
作新学院らも打ちまくっていたし、特に作新がベスト8の智弁学園戦で9回に
1点負けている場面でバントなしの3連打で一気に追い付いて最終的に逆転
勝ちしたのは見事だった。

‘トーナメントで勝ち抜くのは投手を含めた守り’というのが これまでの定説で、
確かに間違いではないのだが、21世紀に入っての優勝校は‘投手を含めた
守りがいいのは当たり前’という形で今さらチームの看板にする事はないし
それは選抜ベスト8の北海が証明してしまった。
　
　北海のスタイルは しっかり守ってワンチャンスを生かすというもので選抜で
天理に勝つなど金星を挙げたもののベスト8で九国大付に力負けしているし、
夏も明徳義塾からホームランを打たれてサヨナラ負けしている。

 そういえば1－0で守りきるスタイルの広島商が平成に入って夏に出場した
のが04年の1度だけで、それも初戦敗退だから23年も夏の甲子園で勝って
ないという事からも分かるだろう。

　それを考えると‘投手を含めた守り’に‘強打’が加わらないと甲子園の優勝は
無理だという事だ。

　いみじくも小倉監督は‘10－0で勝つのが理想’と語っている。
 もはや甲子園で‘1－0で勝つ’スタイルでは勝てないという事になる。