‘愚者の時計は止まっている’を地で行った日大アメフト部

【独自】日大・内田正人前監督を除名処分へ

 5月6日の日大-関西学院大のアメリカンフットボール定期戦で
起きた悪質タックル事件は3週間近くなるわけだが、収束するどこ
ろか紛糾している感じで聞けば聞くほど酷い話が出てきているのが
印象的だ。

 特に批判の矢面になっているのが日大の指導法で選手を徹底的に
追い込んで行くとの事で、これについては先日OAされたNHKの
ニュースウォッチ9で刈屋富士雄アナが‘時代遅れの化石的な手法’
とバッサリ斬って捨てていたのが印象的だった。

 つまり最近は選手のやる気をいかに引き出すかという指導法が、
主流になっている時代に未だにこんな事をやっていたのかという
思いだったようだ。

 こうして見ていると日大アメフト部の指導法は前時代的で‘関学
と比べてウチは才能のある選手が少ないから、こういう手を使わな
いと勝てない’的な話を前監督が語っていたようだが、才能のある選
手が少ないのはこういった前近代的な手法でチーム強化を図ってい
るからというのが分かるだろう。

 ところが日大首脳部にしてみると自分達がやっている事は伝統の
スタイルの継承であって、それに付いて来れない選手が軟弱だと考
えているのだろうからタチが悪く勝つために更なる苛烈な練習を強
要する事になるわけで‘愚者の時計は止まっている’とは正しくこ
の事ではないか。

 何の競技でも年々レベルは上がっているわけで、それに合わせて
セオリーや練習法も変わってくるのは当然だ。

 ところが伝統のあるチームになればなるほど過去の成功体験に拘
るため新たなセオリーや練習法を取り入れず勝てなくなると、昔な
がらのスタイルを堅持する事がレベルアップよりも重要だと考える
ため今回の日大アメフト事件のような結果を招くのだろう。

 慶應のラグビー部は故・上田昭夫監督が率いて84年に対抗戦優勝
すると、85年は大学選手権で明治と引き分け優勝し抽選で出場した
NHK杯でトヨタ自動車に勝って日本一になったものの85シーズン
限り上田監督が退任すると一気にガタガタになってしまう。

 もともと慶應はスポーツ推薦がなく好素材の選手が集まりにくい
ため一般入試で入った部員達を地獄ともいわれる山中湖での夏合宿
をはじめとした猛練習で鍛え上げる事により、好素材を集めた明治
や早稲田などに魂のラグビーで食い下がっていたわけだが上田氏は
猛練習プラスしっかりした最新理論を持っていた。

 ところが上田氏退任の後は最新の理論は置き去りにされ猛練習の
部分だけが残ったため、好素材の選手は更に集まりにくくなるとい
う悪循環に嵌っての低迷だった。

 しかし上田氏が復帰して好素材の選手達に手書きの誘い状を出す
などして選手を集め最新の理論で鍛え上げていった結果、99年に
大学日本一に返り咲く事になるのだが主力選手達は‘山中湖の夏合
宿が楽しかった’などとOB達が聞いたら卒倒するような事を言っ
ていたようだ。

 プロ野球でも02年に原辰徳監督の下ぶっちぎりの優勝を果たし
日本シリーズでもライオンズに4連勝と一蹴したジャイアンツが、
原監督が退任し引き継いだ悪太郎氏は旧態然とした理論だったため
ガタガタにしたという事例もある。

 こうしてみるとチームが強くなるのも弱くなるのも指導者次第で、
時計の止まった愚者が引き受けた場合は悲惨になるという事が今回
上げた事例で分かると思う。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« セブンが侵略... 2018神幸祭終了 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。