全柔連会長の辞任は柔道再建への第一歩

上村会長が辞任示唆=第三者委、組織の責任指摘―全柔連助成金問題(時事通信) - goo ニュース

 今日の新聞に全柔連の上村春樹会長がJSCからの助成金徴収問題の責任を
取って引責辞任を示唆したという記事が載っていた。


 ロンドン五輪で金メダル獲得が女子の1個と惨敗した日本柔道は大会終了後に
女子チームの監督やコーチによる体罰やパワハラで大揺れとなり、その件では
最後まで会長の座に驚異的な粘り腰で居座り続けた上村会長も さすがにJSC
からの助成金徴収問題では責任回避できずに引責辞任する事になったようだ。


 上村春樹といえば現役時代はモントリオール五輪の無差別級金メダリストで
柔道が五輪正式種目になって以来64東京でアントン・ヘーシンク、72ミュンヘン
ではウィリアム・ルスカに取られっ放しだった無差別級を日本人で初めて制したと
いう輝かしい実績を持ち特にSファイナルでのショーター・チョチョシビリとの激戦は
忘れららない。


 その後 代表監督や強化委員長などを歴任しTVでも分かりやすい解説をして
くれていた
だけに今回の保身に走る姿勢はファンをガッカリさせた。

 それにしても暴力指導やパワハラに助成金の不正徴収など次々に不祥事が出て
くるのだが07年以降から噴出した大相撲の不祥事を髣髴させるものがあるし、
この時に大相撲も当時の北の湖理事長が自らの責任逃れに汲々として現役時代の
栄光を汚す醜態を演じたのを
思い出す。

 共に日本産の競技で伝統を重んじる反面、経験者のみで構成される閉鎖社会
だから今回のような不祥事が起きても身内の論理で処理されてしまうケースが
多く、それが結果的に誰も責任を取らない無責任体質になっている。


 結果的にロンドン五輪での惨敗も首脳陣がプロ化した世界の流れに全く付いて
行けず、自分達の成功体験からくる経験論での強化に拘泥した結果と我々は見て
いるのに対し全柔連側は全くピント外れの総括をしていたのが象徴的だろう。


 外部からの新たな情報よりも自分達の成功体験を拠り所にした考えや責任の
所在を曖昧にし、誰も責任を取らない役人体質に成り下がっていては進化はない。


 後任に名前が上がっている国民栄誉賞を受賞し海外留学を経験して選手への
人望も厚い山下泰裕には世界のトップレベルへの返り咲きが求められるが、
そのためには選手本位の全柔連に体質改善への改革を成功させてもらいたいし
山下で改革できなければ柔道界の将来は暗いだろう。

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