チームが勝つ‘器’を大きくするには時間がかかる

連勝でも厳しい日本 サモア戦●なら同組結果次第で3位以下決定

 今年のラグビーW杯で日本代表は初戦の南アフリカ相手に34-32
と歴史的な金星を上げ2試合目のスコットランドには敗れたものの、
3試合目のサモアには前半20-0とリードして結果的に26-5での
快勝だった。

 ところが過去3勝11敗と明らかな格上のサモア相手に‘ボーナス
Pを取りに行かないのか‘という意見も寄せられたのだが、プレー
している選手達にすればトライを取りに行ってカウンターをくって
トライを返されてペースが相手に行くと勝利そのものが危なくなる
という事からPG狙いになったらしい。
 
 今大会の目標は3勝してのベスト8進出だが1大会3勝というのは
過去7大会で1勝しかしてない日本にとって かなりハードルの高い
目標だし、基本的に3勝して勝ち点12を上げればベスト8が付いて
くるという事でボーナスPにまで気が回ってないのは明白だ。

 日本には‘歩をわきまえる’という言葉があるが、何事も自らの
イメージ内の目標を適えるのが精一杯というもの。

 今年のホークスはレギュラーシーズンを90勝49敗4分で終えて、
2位のファイターズに実に12ゲームもの差を付けての優勝だった。

 ところが優勝が決まってからは6連敗を含む5勝11敗でペース
ダウンし‘このままではCSが不安’などと熱狂的なファンが気をもむ
始末だが、正直言ってホークスが幾ら強くても年間で勝てる数は決
まっているので贅沢というものだろう。

 サッカーでも98フランスW杯に出場した時に岡田武史監督が1勝
1敗1分という目標を掲げた時にメディアはブーイングしていたのだ
が、第3代表決定戦でVゴールでやっと勝って初出場を決めた時に
‘悲願の初出場'と国を挙げて喜んでいたようでは3連敗も仕方ない。

 02日韓W杯でも国民の殆どがグループステージ突破のみを願って
いた中で初戦を引き分けた後に2勝を上げ1位通過したもののベスト
16でトルコ相手に燃え尽きたような元気のない戦いぶりで敗れると、
共催の韓国がベスト4に進出したのを見て‘あの組み合わせなら最低
ベスト8に行けたのに’と騒いでいたのも噴飯ものだった。

 日本人が愛して止まない高校野球の夏の甲子園などは初出場校が
強豪校を次々に破って優勝という事があるものの、あくまでアマチュ
アのトーナメント戦ならではのものでプロが凌ぎを削る世界的な大会
では まずありえない事。

 何事も急には結果が出ず徐々に強くなるが一旦ダメになれば急坂を
転がり落ちるように弱体化するというのはメキシコ五輪のサッカーや、
ミュンヘン五輪の男子バレーなど枚挙にいとまがなく報道するマスコ
ミも そこら辺りをわきまえて報道しないといけないだろう。

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