草むしりしながら

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猫と赤ちゃん

2023-10-03 07:09:29 | 猫自慢

 猫と赤ちゃん

 朝夕涼しくなったからでしょうか、夏の間元気のなかったハナコがやっと元気になりました。ハナコは今年十五歳になる我が家の飼い猫で、今は姉と生家で二人暮らしをしています。

 もともと食が細くドライのフードなどは、昔から皿に出した量の半分は残していました。好みもうるさく食べ残しのフードなどは絶対に食べません。そのくせいつも何か食べたがり、台所に立つと足元にへばりついてきて、食事の催促をします。

 よその猫は出してやった分は全部食べると聞き、姉が心配してチュールだの総合栄養食などいろいろ試しています。この頃ではミルクも飲むようになりました。そのせいかもともときれいだった毛並みが、いっそうきれいになったような気がします。

 ハナコは白サバのハチワレ猫です。シルバーと黒の縞のサバ模様がくっきりと美しく、腹の部分の白毛は透き通るような純白です。その美しい姿?とは別に凄腕の鼠ハンターという顔を隠しもっており、私ども家族の自慢の猫であります。

 ただ美しさの方に陰りはがありませんが、鼠退治の方はこの頃とんとご無沙汰しております。でももう鼠など捕らなくてもいいから、のんびりと余生を過ごし長生きしてほしいと思っています。

 ところが九月のある日、ハナコにとってはのんびりなどしてはいれない事態が発生しました。末娘夫妻が娘を連れて帰省したのです。

 私にとって五番目の孫にあたる末娘夫妻の娘は、一歳と一ヶ月になります。よちよち歩きで、言葉も二、三出てきたところです。

 もともと人懐っこいハナコは、誰かが訪ねて来るとすぐに寄って来て歓迎します。その日もすぐに孫娘に近寄ってきました。そして歓迎の意味を込めて自分の鼻先を孫娘の手に軽くぶつけて、コッンコしました。

 孫にとっては人間以外の生き物に初めて触った瞬間です。ちょっと驚いたものの、特別怖がるようすもありません。

 そこで気をよくしたハナコ。もっと歓迎の意味を込めて、今度は足をペロリ。とたんに孫娘が泣きだしました。たぶん猫のザラザラした舌の感触に驚いたのでしょう。

 これにはハナコもしょんぼり。そこで今度は孫とつかず離れずの距離をとって寝そべりました。一方当の孫娘の方はすぐに泣きやみ、父親の抱かれたままハナコに興味津々です。

 翌日も同じです。孫はちょっと離れたところにいるハナコの所に近づいて行っては、慌てて父親の元に逃げ帰ります。ハナコは孫と目を合わせないようにそっぽを向いていますが、気にはしているようす。

 孫は恐々とハナコに近づいて行っては、慌てて逃げ帰えるのを何度か繰り返していました。ところがそのうち「ニャーニャー」と言い出しました。これには見ている方が驚いてしまいました。ハナコも驚いたのか、振り返って孫の方を見ていました。

 やはり絵本や写真よりも、実物を見せるのに限りますね。いやそれよりもハナコの子守が上手だったのかな?

 ニャーニャーも言えるようになったし、歩き方しっかりしてきた。そして何より表情も出てきた。と、娘一家は喜んで東京に帰って行きました。

 楽しかったね。また帰っておいで。そしてハナコ。ご苦労さんでした。ゆっくりしてくださいね。



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