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気でも触れたか、田中知事!百条委に露骨な介入。真実探求の姿勢まるでなし

2005年09月13日 | 長  野  県  政

田中知事がきょうの会見で、百条委員会の審議のやり方について、強く牽制する発言をした。萩原清・県議会議長宛に、これに関しての問題点を指摘した形の文書5枚を提出した。
この文書には民事訴訟規則第106条、107条2項、115条など具体的法令が何カ所にも渡り引用され、これの違反だとしている。
裁判を例に挙げ、これとの比較で問題だと指摘している。
しかし、百条委は裁判ではなく、議会の調査権に基づいて行われているもので、これを裁判と同列に論じているところが奇異な感じを受ける。
真実探求についての姿勢はまったくなく、百条委が何のために行われているのかということには配慮がない。百条委で真実が明らかになるのを恐れるための、知事の露骨な介入というほかはない。
百条委では田中知事サイドに不利な、職員や元職員の証言が相次ぎ、田中知事はピンチ!
このため、なりふり構わず百条委にプレッシャーをかけ始めたのでは?という声が議員の間から出ている。

   == その介入文書内容 ==
1-証人への呼び出しが遅い。
前日夕方にされることが多く、公務に支障が出るーなどとしているが、職員の場合、元々仕事として出勤するわけだから、前日だろうが問題ないーというのが百条委の考え。
それに、あまり前に通知すると、経営戦略局の中にある百条委対策チームが「証人間での口裏あわせ」をする可能性があり、これを防止する意味でも直前の呼び出しでもしょうがないのではないだろうか。(ある百条委委員)

2-待機時間と尋問時間が長い。
拘束時間が丸一日に及んだり、深夜に及ぶことがあるーなどとしているが、これは真実追求の観点に立てばある程度やむを得ない。深夜12時近くになったこともあったが、これは証言が食い違ったり、一気にやったほうが効率的なことを考慮したため。やってる議員のほうも疲れるので、わざとではない。
文書では、裁判よりひどく、証人への負担が多いとしている。しかし、裁判を例に出し、これとの比較で百条委を論じるのは飛躍というものだろう。裁判と百条委は違う。
この文書全般に言えることだが、法律が何カ所にも出てくることから、法律関係者が下敷きを書いたものであることが推察される。随所に、松葉謙三弁護士が話していることが盛り込まれている。 08月28日付ブログで書いた、27日に塩尻市の松本歯科大ホールで行われた、反百条委集会で松葉弁護士が述べていたことと同様の主張がこの文書の中に貫かれている。

3-誘導尋問、重複質問、をするな。意見陳述を求めるな。
民事訴訟規則第115条を持ち出し、これの違反だから誘導尋問をするなーとしているが、齟齬と混乱が見られる。すでに書いたように、百条委と裁判は違う。民事訴訟規則違反だから、と一方的に決め付け、質問をするなーというのは裁判だったらありえない話。法律論以前の話で、言っていることの意味がよく分からない。この文書じたいも論旨が明確でなかったり、混乱がしばしば見受けられ及第点はつけられない。
誘導尋問だーというのは松葉弁護士が百条委傍聴の感想として度々いっていること。

百条委委員が意見を述べることをいけないとしていて、発言の自由にいとも簡単に介入している。この文書をそのまま読めば、百条委委員は発言するなーとでも言っているよう。信じられない文書だ。

4-偽証罪や公文書毀棄罪という言葉を使うな。
証人が心理的圧迫を感じるので使うなとしている。犯罪の成立を示唆すると証人が困惑するので不適切ーだという。人権尊重上問題としている。
百条委はそもそも、問題点を追及する場なのに、それをしてはいけないといっている訳で、まったくおかしな言い分という他はない。問題があれば偽証罪に問われるのは当然で、嘘をつかなければいいだけの話。これではまるで、犯罪を見逃すことを勧めているようなもの。
また、証言が食い違った場合、偽証だと指摘するのは誤導であるーと信じられないようなことを書いている。偽証にならないようにーと過度に言ってプレッシャーをかけるのは問題だが、聞いていてそういう場面はなかった。逆にプレッシャーをかけたらどう?とじれったくなるほどだった。
尋問するとき、偽証罪に触れた上で、慎重に証言するように求めるのもいけないとしている。これだと、最初に宣誓するのも問題になる。
虚偽の陳述をしても直ちに虚偽の陳述になるわけではない。自己の記憶と違う場合に虚偽となるーなどとも書いている。頭の中にある記憶を他者がどうやって確かめられるのだろうか?事実と違うことを言った場合に虚偽となるのではないのか?
読んでいて、めまいがしそうな珍文のオンパレードだ。

5-証人に対してメモおこしを求めてはいけない。
これは、5人に対して証言が求められたときに、尋問している最中に証言者の発言がそのつど相手に合わせて変わる場合があったので、それでは真実が分からなくなるので、あらかじめ自分の発言はメモを取り、その上で発言するようにーとしたことがあった。
それをいけないといっている。そもそも証人尋問は口頭でするものだから、メモをとるのもいけないーと驚くようなことを平然と言っている。真実探求の姿勢がまったく感じられない。
さらに百条委側が、このメモを食事休憩中に書くよう求めたら、休憩時間が与えられず人権侵害だと書いている。尋問中はメモを書けず、休憩中にしか書けないのでこのようにしたのだが、それがいけないという。どうでもメモを書かせたくないようだ。
どうみても真実が明らかになるのを拒む態度だと思うが、よくもまぁーこんな恥ずかしいことをズーズーしく言えるものだと、あきれひっくり返ってしまう。

気になったのは、この文書についての経営戦略局職員の受け止め方だ。知事サイドに立って、もっともだーとしている職員が多い。ある程度仕方のないことかもしれないが、経営戦略局の中にいると感覚がおかしくなってしまうのだ。これが今の長野県庁の憂うべき姿だ。

田中知事は百条委に対抗するためのチームを組織し、経営戦略局内においている。
百条委のやることをこと細かにチェックして、やり難くさせようという魂胆のもの。ここにあるのがそのチームが作った数々の資料。
http://www.pref.nagano.jp/keiei/kouhout/100j/100j.htm
この文書もこの中にある。
http://www.pref.nagano.jp/keiei/kouhout/100j/0913t.pdf

ここでは、こんなこともやっている。百条委にいくらかかったかチェックしてプレッシャーを掛けようというのだ。

2 知事部局等が百条委員会に費やした従事時間・経費について

こういった資料を作るのにも時間と金が掛かっているのだが、それについては調
べなくていいのだろうか。

 追加

このことを書いた信濃毎日新聞記事が下のもの。
確かに、上の文書の趣旨を客観的に纏めればこういうことにもなるが、ものの捉え方の根本が間違っている。田中知事は何ゆえにこのような文書を出したのかーの視点がこの記事にはない。
客観性は記事の基本であり大事なことだが、田中知事はそこを突いて利用しているのは明らか。それに乗ってしまうのはオバカというしかない。基本に忠実なるがゆえに、応用問題が解けないものがいるが、それを思い出す。田中康夫は応用問題を解く要領であたらないとダメ。

客観的に書かれたこの記事を読むと事実を見誤るーというおかしなことになっている。

ただ、馬鹿正直に基本に忠実にだけやっていればいいってもんじゃない。新聞記者は臨機応変さが大事だ。昨今の記事にはこれがない。

なんでもそうだが、基本を踏み外してやるというのは基本をしっかり踏み固めた上でないとできない。自信がないものが、とりあえずこうやっとけば非難されることは少なかろうーという姿勢で書いているのが昨今のマスコミ記事。批判を恐れる逃げの姿勢がそもそもいけない。そんなことなら最初っから書くなといいたい。

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「百条委で証人の人権配慮を要請 県会議長に知事」 9月14日(水)

 田中知事は13日、知事後援会の元幹部による「働き掛け」問題などを調べている県会調査特別委員会(百条委員会)の証人尋問について、証人の人権に配慮するよう求める申し入れ書を萩原清県会議長に提出した。

 申し入れでは▽証人の待機時間、尋問時間が長時間に及ばないよう配慮、必要な休憩を与える▽誘導や重複質問を避けるため、主たる尋問を行う委員を決めるなど事前調整し、尋問者は意見を述べない▽不当な心理的圧迫となる質問は行わない―ことなどを求めた。

 問題と思われる事例として、証人の拘束時間が10時間を超えたり、休憩時に記録作成を要求し、実質的に休憩が与えられていないことを指摘。委員が自分の意見を延々と述べて同意を求める誘導的な尋問をしたり、偽証罪に触れた上で証言を求めていることも挙げた。

 百条委の小林実委員長は「地方自治法の規定に基づき、粛々と進めてはいる。委員も初めての経験で、指摘された点は今後、十分検討し、人権に配慮する」、萩原議長は「申し入れを受けた点については、十分配慮するよう、今月初めに百条委の正副委員長に指示してある」としている。
 


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