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百条委 プリズムのような田中知事証言

2005年10月04日 | 長  野  県  政

 下記URLクリックで写真ドキュメント12カットが見られます。

 http://tinyurl.com/8n834  

 のような田中知事証言

9月26日午後3時から、約1時間長野県議会百条委員会で田中知事への尋問が行われた。感想をひと言でいうなら、「クリスタルならぬ、プリズムのような証言」とでもいったらいいのだろうか、田中知事は一時間確かに喋ってはいたのだが何を喋ったのか判然としなかった。

初っ端の尋問で、
「下水道業者の小林誠一氏に田中知事の私設秘書の名刺を持ち歩くことを許していたのか?」
と問われて
「許す許さないということではなく、彼がそのような形で他の方と会っていたということは、あるいはあろうかと思います」
などと答えている。挙句には「それはご本人聞けばいい」などとも言っている。
田中知事自身が許していたがどうかを問われているのに、状態の説明に話をすり替え、本人に聞けばいいと言うのだから不誠実というほかはない。質問に返事はしているのだが、疑問には答える気はないーということだろう。

これは田中知事のいつもの手で”田中話法”といってもいいようなものだ。このパターンが延々と続いた。

聞いていることと違うことを延々と喋るので、たまりかねた小林実委員長が「聞かれていることに答えてください」と注意しても意に介さず「これはとても大事なことです」と押し返し、自分の喋りたいことを喋り通した。
なんともはや、いうべき言葉がない。

「この書類を見たことがあるかないかだけを答えてください」
と問われても、
「私は日々沢山の書類を見ているわけでありますから、そういった中でこの書類を見たことがあるかないかといわれてもお答えのしようがございません。この中にある数字には見覚えがあるような気がしますが、一部私の記憶と違った数字もあるようでございまして・・・」
こうなると、なにがなんだか訳が分からなくなる。

百条委終了後、県民クラブ控え室で宮沢敏文百条委副委員長に感想を聞くと、
「田中知事はガラス張りといっているが、そのガラスはとても厚くて我われの言葉が届かない気がした。田中知事が発した言葉もそのガラスを通過すると大きく屈折して、我われの理解と離れたものとなってしまっている」
と答えていた。
私は思わず、
「ガラスではなく、まるでプリズムのようですね」
と言うと、宮沢副委員長は
「そう、それです」
と大きくうなづいた。

「クリスタル」には光を乱反射させて輝くーといった意味もある。
田中康夫はクリスタルの代名詞で語られることが多かったが、実態はプリズムの方により近いような気がする。


この日の成果は、田中知事が岡部英則・元経営戦略局参事から受け取ったメールを、小林誠一氏や松林憲治経営戦略局局長らに転送した

「うーん、それぞれダイジョウビかのぉ。」
宮津さん、小林誠一さんと相談して下さい。

で始まり、その後に小林誠一氏の携帯電話番号が書いてあるメールの存在を田中知事が認めたことぐらいか。一見たいした成果ではないようだが、百条委委員に言わせると
「これだけでもやった意味がある」と言う。


尋問を終えた田中知事は大勢の取材陣から逃れるように、議会棟から知事室のある県庁本棟に移動した。いつもなら途中の広い場所で立ち止まって囲み取材を受けるところだが、この日はどこでも止まらず、ガラス張り知事室まで突っ走った。
知事室には正面から入らず、裏口から入った。そこでようやく田中知事は追い縋る取材陣を振り返り、囲み取材を受ける形となった。
頬を赤く染め早口でまくし立てているが、後方にいた私にはよく聞き取れない。ようやく聞き取れたのは、「岡部さんのためを思ってそう言ったんですよ」といった意味の言葉の断片だけだった。かなり興奮した様子で、知事室のドアを半分開け、いつでも逃げ込める体勢だ。言いたいことだけを言い、都合の悪い質問には答えたくないーという気持ちがこの場での取材対応に現れていた。

肝心なことに答えていないのだから証言拒否ということもできるが、詳しくは弁護士などとも相談してどうするか決めたいーというのが百条委委員の見解だ。    


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