日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

蓮白し もとより水は 澄まねども

2023年07月25日 | 夏の花


各地で梅雨明けが発表されて厳しい暑さが続いていますね。
くれぐれもお身体に気をつけてお過ごしくださいね♡

三重県の親戚の方より蓮(はす)の画像が届きました。
今年は開花が早く、見頃のピークは過ぎてしまいましたが、
まだ咲いてくれていた花々を見ることができたそうです。

真っ白な白蓮(びゃくれん)は、ほんとうに美しいですね。
古くから「蓮の花は 泥より出でて 泥に染まらず」と言われておりまして・・・
“清らかな心”のような美しい花として親しまれています。

「蓮白し もとより水は 澄まねども」

江戸時代に最も活躍された女流俳人「加賀 千代女(かがの ちよじょ)」が詠んだ句です。

◎蓮(はす)→夏の季語
◎もとより→昔から
◎ども→ ・・・けれど

先日、京都に居ります義母が安らかに天国へ旅立ちました。(行年八十五歳)
蓮の花は仏教とも深い関わりがありますね。
蓮の花の上に仏様が座られていたり、仏像の台座には蓮の花があしらわれています。

仏さまになったお義母さんは蓮の花の真ん中に座って・・・
私たちを笑顔でずっと見守ってくださっていることと思います♡

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *
秋田県の記録的大雨により、
被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。
皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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百合咲けば 百合の高さに もの思ふ

2023年06月15日 | 夏の花


関東地方も梅雨入りが発表され、雨が降ったりやんだりのお天気が続いています。
この時季は気温が上がり蒸し暑くなったり、気温が下がり梅雨寒になったり・・・
どうぞ体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

梅雨の時季の花と言えば・・・
紫陽花(あじさい)が見頃を迎えておりますが、
道沿いに紫陽花と一緒に元気に咲いている百合(ゆり)の花を見つけました。

花が上向きに咲いているので「スカシユリ」という品種になります。
スカシユリの原種は、海岸の砂浜や山地に自生しています。
江戸時代に栽培種がつくられ、日本を代表する園芸種になったそうです。

「百合咲けば 百合の高さに もの思ふ」

昭和時代から活躍されている女流俳人「小檜山 繁子(こひやま しげこ)」が詠んだ句です。

小檜山さんは樺太(サハリン)で生まれ、
女学校時代(中学生)に敗戦を迎え、
昭和22年(1947年)、お父様の故郷である福島県へ移られたそうです。

私の義父も小学生の頃に樺太で過ごしておりまして・・・
昭和19年(1944年)にお母さんと弟さんを病気で亡くし、
引き揚げ船で北海道へ渡り、終戦を迎えました。

当時は小学校5年生で、
だんだん戦争が激しくなり、食べるものが少なくなり・・・
栄養失調が原因で多くの方が犠牲になっていた戦況を話しておりました。

終戦後、小檜山さんは青春期の大半を結核療養所(東京)で過ごされ、
療養所で俳句を学ばれたそうです。
療養所句会には車椅子で出席されていたそうです。

夏に美しく咲く百合の花々・・・
戦争を体験された方の様々な想いが込められているようにも感じられます。

現在、ウクライナとロシアの戦争が続いています。
悲しい戦争が一刻も早く終結され、安心して平和に暮らせるようになりますことを
世界中の人々が願っていることと思います。
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あぢさゐの 鞠のかなたの 空のこる

2023年05月31日 | 夏の花


明日から6月ですね。
雨の日が多くなり、梅雨入りする地域も増えてきました。
東海・近畿地方では、10年ぶりに5月の梅雨入りとなったそうです。
雨で気温の低い日が続いております。
お風邪などひかれませんよう、お身体に気をつけてお過ごしくださいね♡

小庭の紫陽花(あじさい)も綺麗に色づいてきました。
透き通った空のようなブルーの紫陽花です。

「あぢさゐの 鞠のかなたの 空のこる」

昭和時代に活躍された女流俳人「柴田 白葉女(しばた はくようじょ)」が詠んだ句です。

◎あぢさゐ→紫陽花(あじさい)
◎鞠→まり
◎かなた→あちらこちら

四季咲きの紫陽花を小さな苗から育てて5年目になるのですが、
剪定する箇所や時季を誤ってしまいますと花が咲いてくれなっかったり・・・
また、花の下から2〜3節目を剪定することが推奨されておりますが、
そのように育てておりましたら、1メートルを超えるくらい大きくなってしまったり・・・
色々と苦戦しながら育てております。

試行錯誤している中・・・
花が終わりかけの6月〜7月(梅雨明け前)でしたら、
低い位置でも元気そうな脇芽があれば、
その脇芽の上で剪定しますと背丈を低くすることができますし、
花芽がつくられる前の剪定になりますので、
翌年も開花してくれる可能性が高いことを教えていただきました。

そして、冬に落葉して休眠期に入ってから、
花芽を残して古い枝や交差している枝を剪定し、樹形を整えてあげるのが良いそうです。
ちなみに、ぷっくりした丸い形が花芽、尖った形が葉芽になります。
理想の樹高をキープしながら毎年開花させることは、とても難しいとおっしゃっていました。

何度も失敗ばかりで花が咲かなかったり、大きくなり過ぎたり・・・
紫陽花もビックリしているかもしれませんね。

剪定をしないと品種によっては、2m〜3mほどまで大きくなるそうです。
自由にのびのびと育ててあたいところですが、
我が家の小庭では難しい状況です。
今年は一段と大きく育ち、たくさんの花を咲かせてくれました。

四季咲きの品種ですので、あまり大きくなり過ぎるのも負担になってしまうようです。
教えていただいた剪定をしながら、大切に育ててゆきたいと思っております♡
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芍薬や けふ花ひとつ ころもがえ

2023年05月13日 | 夏の花


明日は母の日ですね♡
今日の関東地方は、朝から冷たい雨が降っています。

昨日までは初夏のような天気が続いておりましたが・・・
来週の中ごろから天気も回復し、真夏日が続くようです。
気温差が大きくなっていますので、体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

日本芍薬(にほんしゃくやく)の球根を小庭で育てはじめて6年目になります。
いつも母の日の頃に見頃を迎えていたのですが、
今年は4月下旬ごろから咲きはじめています。

我が家の日本芍薬は、二株から白・薄桃・濃桃色の三色が咲いてくれます。
開花する順番は毎年違っておりますが、
今年は一番最初に白が咲き、薄桃、濃桃色の順に咲いています♡

「芍薬や けふ花ひとつ ころもがえ」

江戸時代に活躍された俳人「長野 野紅(ながの やこう)」が詠んだ句です。

◎芍薬(しゃくやく)→夏の季語
◎けふ→今日

江戸時代の人々は、芍薬が咲く頃に “ころもがえ” をされていたのでしょうね。
芍薬は、古くから薬草としても活用されておりまして、
現在も漢方薬に使用されています。

芍薬を詠んだ句の中には、薬箱や十薬などが登場する句もございます。
きっと人々の暮らしの中で大切にされていたことと思います♡

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *
この度の石川県能登地方ならびに千葉県南部をを震源とする地震により
被害にあわれた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
被災された皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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向日葵に 人の笑顔の 及ばざる

2022年08月15日 | 夏の花


一昨日、関東地方では台風の接近で雨風が強まり心配しておりましたが、
台風が通り過ぎて、厳しい残暑が続いています。
どうぞ体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

小道の片隅に、向日葵(ひまわり)が綺麗に並んで咲いていました。
風に揺れて、とても心地よさそうで・・・
背丈が1mほどの可愛らしい向日葵たちです。

「向日葵に 人の笑顔の 及ばざる」

昭和時代から平成時代に活躍された俳人「後藤 比奈夫(ごとう ひなお)」が詠んだ句です。

今日は終戦記念日ですね。
当時5歳だった父は東京で暮らしておりましたが、
戦争が激しくなり、昭和17年に両親の故郷の三重県へ疎開しました。
戦争が終わり、祖母が東京の家の様子を見に行った時には、
あたり一面が焼け野原で、何も残っていなかったそうです。

父と同い年の母も東京で暮らしておりましたが、
戦争が激しくなり、祖母の故郷の宮城県へ疎開しました。
当時、田んぼの畦道を通って集団下校していた時に空襲警報が鳴り響き、
上級生のお兄さん、お姉さんの「伏せて!」という声とともに、
全員がうつ伏せになって、戦闘機の音が消えるまでじっとしていたそうです。
その情景は忘れられない・・・とよく話していました。
両親とも小学校2年生の時に終戦を迎えました。

義父は昭和19年、小学校5年生の時に樺太(サハリン)で、お母さんと弟さんを病気で亡くし、
引き揚げ船で北海道へ渡り、終戦を迎えました。
樺太には、たくさんの日本人が家族とともに居住していたそうです。
戦争が激しくなり、食べるものが少なくなり・・・
栄養失調が原因で多くの方が犠牲になったと話しておりました。

終戦から77年が経ち・・・
今年も生前に父母や義父が話してくれたことを思い出しながら、
静かに黙禱をしました。

今、世界中の人々がウクライナとロシアの人々を心配しています。
向日葵の花言葉のひとつに、「ずっと見守っています」という花言葉があります。
悲しい戦争が一刻も早く終わり、コロナも終息し、
世界中の人々が笑顔で安心して暮らせる世の中になりますように・・・

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *
大雨により被害にあわれた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
被災された皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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夕栄に こぼるる花や さるすべり

2022年07月30日 | 夏の花


夏本番を迎え、厳しい暑さが続いています。
こまめな水分補給を心がけて、体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

夕方に運動をかねて自転車で出かけているのですが、
我が家の自転車は、変速機能がない普通の自転車で・・・
上り坂では自転車を引いて歩いています。

日陰を通りながら坂道を歩いておりましたら、
一本の大きな百日紅(さるすべり)の木がありました。
夏空とピンクの鮮やかな花々とのコントラストがとても素敵で・・・
綺麗なお花を愛でながら、木陰で一休みさせていただきました。

「夕栄に こぼるる花や さるすべり」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「日野 草城 (ひの そうじょう)」が詠んだ句です。

◎夕栄 → ゆうばえ(=夕映え)

漢字では「百日紅(さるすべり)」と書き、「ひゃくじつこう」とも呼ばれています。
夏から秋にかけて、ふんわりとした色鮮やかな花が次々と開花し、
長期間(約100日)花を楽しませてくれる樹木として、古くから親しまれています。

ふわふわと風に揺れている花々を見ておりましたら、
夏祭りの屋台の綿菓子を思い出して、とても懐かしい気持ちになりました♡
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きりきり しゃんとしてさく 桔梗かな

2022年07月13日 | 夏の花


7月に入り、小庭では青紫の桔梗(ききょう)が元気に咲いてくれています♡
今年は梅雨入りも梅雨明けも早くて・・・
植物たちにとっても、私たち人間にとっても調子を整えるのは大変ですね。

この桔梗も、今年は葉っぱや新芽を虫に食べられて心配しておりましたが、
しゃんとして咲く花姿に元気をもらっています。

「きりきり しゃんとしてさく 桔梗かな」

江戸時代を代表する俳人「小林 一茶(こばやし いっさ)」が詠んだ句です。

◎きりきりしゃん → 身なりなどがきちんとしていて、立居振舞に一分のむだもなく、
かいがいしいさまを表わす語

「きりきりしゃん」を調べておりましたら・・・
102歳まで現役の芸妓さんとして活躍されていた「蔦清小松 朝じ(つたきよこまつ あさじ)」さんという、
東京柳橋の伝説の芸妓さんと深いつながりのあることがわかりました。

「気持ちを引きしめ、背筋をのばす」=「きりきりしゃん」
“ 心がキリッとしていれば、姿もシャンと引きしまります ”
生涯にわたり人生の教訓とされていらっしゃったそうです。

明治時代から平成時代にかけて長年にわたりお座敷に出られていた「朝じ」さんは、
多くの著名人の方々にも慕われており、95歳(平成元年)の時に伝統芸能継承者として、
黄綬褒章(おうじゅほうしょう)を受章されました。

一茶の句に用いられている「きりきりしゃん」・・・
江戸の“粋(いき)”を感じる素敵な言葉ですね♡
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夏の日を 淡しと思ふ 額の花

2022年06月30日 | 夏の花


連日、厳しい暑さが続いていますね。
今年は梅雨明けまでの期間が観測史上最短を記録したそうです。
また、各地で猛暑日が続いたり・・・
これからが夏本番となり、さらに気温が上昇するかもしれないと言われています。
こまめな水分補給を心がけて、体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

京都より素敵な額紫陽花(がくあじさい)の画像が届きました。
弘仁10年(819年)に創建されたお寺の境内に咲いていた額紫陽花です。
新緑の青紅葉(あおもみじ)も綺麗ですね♡

このお寺は永禄11年(1568年)9月27日に織田信長が、
上洛した際に一泊されたとの記録が残っているお寺として親しまれています。

「夏の日を 淡しと思ふ 額の花」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「野村 泊月(のむら はくげつ)」が詠んだ句です。

◎額(がく)の花 → 額紫陽花(がくあじさい) ・夏の季語

京都では、古くから甘茶寺と呼ばれているお寺が多く存在しています。
甘茶(あまちゃ)の花は額紫陽花の仲間として知られています。

甘茶寺ではお釈迦様の誕生をお祝いする「灌仏会(かんぶつえ)」、
お釈迦様の像に甘茶をかける「甘茶仏(あまちゃぶつ)」等・・・
一般的に「花まつり」という仏教行事として受け継がれています。

初夏の頃に淡い水色や淡い紫色の花を咲かせてくれる甘茶の花・・・
葉っぱを乾燥させて甘茶をつくり、お釈迦様の誕生日(4月8日)に花まつり行事を執り行う・・・
明治時代の頃までは、多くのお寺でお参りに来られた方に甘茶がふるまわれていたそうです。
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金糸梅 明るき雨と なりにけり

2022年06月08日 | 夏の花


一昨日、関東地方では梅雨入りの発表がありました。
寒暖差の大きい時季ですので、体調にお気をつけてお過ごしくださいね♡

小庭では、黄色が鮮やかな金糸梅(きんしばい)が見頃を迎えています。
小さな苗から育てて3年目になります。
金糸梅は、江戸時代中期(1760年頃)に中国から渡来したと言われています。
梅雨の頃に咲く花として古くから親しまれています。

「金糸梅 明るき雨と なりにけり」

昭和時代後期〜平成時代に活躍された俳人「中村 姫路(なかむら ひめじ)」が詠んだ句です。

梅雨の時季は、雨がふったりやんだり・・・
気持ちも沈みがちになってしまいますが、
雨に濡れた可愛らしい花々はキラキラと輝いていて・・・
私たちの心を癒してくれているようですね♡

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芍薬の 芽のほぐれたる 明るさよ

2022年05月08日 | 夏の花


今日は母の日ですね。
昨日まで蕾だった日本芍薬(にほんしゃくやく)の花々が、朝日を浴びて開花しました。
毎年、母の日の頃に見頃を迎えます。

芍薬の蕾は、とても大きくて存在感がありまして・・・
初めて見た時は、その大きさに驚きました。
花姿は、さらに大きくて・・・
美しい花姿に見蕩れています♡

「芍薬の 芽のほぐれたる 明るさよ」

昭和時代を代表する女流俳人「星野 立子(ほしの たつこ)」が詠んだ句です。

◎芍薬(しゃくやく)→夏の季語

芍薬は、冬には葉っぱもすべて枯れて、
地上部には何もない状態で冬越しします。

春になりますと、赤い新芽が出てきまして・・・
あっという間に、たくさんの葉が茂ってきます。
艶のある葉も、とても綺麗です。
毎年、このサイクルを繰り返しながら生長しています。

美しい姿で小庭を華やかにしてくれる芍薬の花々・・・
雨の日や曇りの日は、花びらを閉じて静かに佇んでいます。
その仕草も、とても可愛らしくて・・・
この時季を毎年楽しみにして過ごしております♡
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