京都府亀岡市で小学生の列に、無免許の少年の運転する軽自動車が突っ込んだ交通事故
に関する特集でのインタビューで出演しました。(5/24 19:00~ オンエアされました)
少年が無免許だったことから、無免許運転による交通事故についても危険運転致死傷罪の
適用を求める声が高まっていることについて、弁護士としてコメントしました。
コメントの要旨としては、
① 「無免許」という事実はそれ自体に、必ず危険性があり、重大な交通の危険を生じさせる
おそれがあるということではないので、飲酒・信号無視というような危険運転致死傷罪の犯罪類
型と同じに考えることは難しい。進行を制御する技能を有しているか否かを判断するための一つ
の事情として「無免許」を考慮することはあるが、「無免許」=技能なし、「有免許」=技能ありと
いうように単純に考えることはできない。
(事故が発生したという結果から遡って、直ちに技能がないと単純に考えることもできない。)
② 今回の事故の原因が、本当に「無免許」にあったのかを冷静に考える必要がある。
「無免許」が原因なら無免許運転を厳罰化することで解決する可能性があるが、
別のところに原因があるなら、無免許運転を厳罰化することは、当該少年に対する応報感情以上
の意味を持たない。(そして、法改正をしても当該少年に対する適用はない。)
今回の事件は、「無免許」という非難しやすいポイントがあるために、そこに非難が集中している
が、それではかえって事件の本質を見誤ってしまうのではないか。
なぜ、少年が事故を起こしてしまったのか、なぜ事故が発生してしまったのかということを検討す
べきである。そうでなければ、今回の少年が負うべき責任を決めることも、今後の再発防止策も
考えることができない。
微妙な問題を含むインタビューで取材に応じることに躊躇もあったのですが、冷静な議論を
呼びかけることも弁護士としての責任と考えて、応じました。
マスコミ取材に応じてもなかなか真意を伝えてもらえないのですが、今回のKBS京都テレビは、
私の思いを良く理解して放送してくださったと思っています。