弁護士辻孝司オフィシャルブログ

京都の弁護士辻孝司のブログです
弁護士の活動、日々感じたことを弁護士目線でレポートします
弁護士をもっと身近に・・・

まもなく梅雨、カエルは元気です!

2012-05-31 09:31:45 | インポート

明日からは6月。自宅近くの田んぼでは、毎晩カエルの大合唱が響いています。

プロフェクト法律事務所の京都市営地下鉄の車内ポスターのテーマは「梅雨」です。

Chikatetsukaeru

カエルと言えばオタマジャクシ、

♪ おーたまじゃくしはカエルの子!・・・♪ という歌からアイデアをもらいましたが、

よく考えたら、ほ乳類以外は、親子の姿が似ていないケースって普通でしたね。

地下鉄広告シリーズ、そろそろ秋のポスターを考えています。

過去のポスターはこちら http://www.profecto.jp/about/ad.html#subway


リーガル・ハイ第6話 和解

2012-05-29 22:29:49 | インポート

   

Rikon1  離婚がテーマ

 芥川賞作家の夫とフリーキャスターの妻。

 一緒にCMやテレビに出演し、おしどり夫婦として有名な

 二人が実は不仲。

 二人の感情的対立は激しく、話し合いでも、調停でも解決

 には至らず、どろ沼の離婚訴訟となる。

 そして、いよいよ、最重要証人の尋問の直前になって・・・・

                            突如、和解成立!

   

本当の裁判でも尋問の直前というのは和解が成立する一つのタイミングです。

証人尋問なんて嫌だ、恥ずかしい、緊張する、もういいやという心理が働き、事件を決着させて

しまおうという機運になります。

 

Monjya_2でも、もんじゃ焼きはいただけません。

古美門弁護士の言うとおり、吐瀉物にしか見えない。

どうして、ちゃんと焼けてから食べないんだろう 

リーガル・ハイ第6話のストーリーはこちらから

http://www.fujitv.co.jp/legal-high/story/story06.html


京都から死刑制度の廃止をめざす弁護士の会

2012-05-29 08:53:45 | インポート

Heart1

5月23日、京都弁護士会の有志の弁護士91名で、「京都から死刑制度廃止をめざす弁護士の

会」を設立しました。

毎日新聞の報道 

http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20120527ddlk26040362000c.html

   

多くの人が死刑にするしかないだろう、そう思わざるをえない凄惨な事件があります。

罪なき犠牲者が受けたのと同じだけの苦痛と犯人にも与えなければ納得できない。

被害者だけが死んで、犯人が生きながらえるのは納得がいかない。

それは、被害者や遺族のみならず、多くの人が思う当然の心情です。

私もそう思います。

   

それでも、誤判の問題があります。

無実の人が犯人とされてしまう冤罪もあります。

犯行に至る事情や犯人の責任能力などの情状事実について間違った判断をすることは、

裁判ではいくらでもあります。

こうしたことは、誰よりも、法廷に立つ私たち弁護士が一番よくわかっています。

もちろん、取調べの可視化や証拠開示など間違いのない裁判を実現するために最大限の

努力はかかせません。

しかし、どんなに努力をしても、人間が裁く以上、裁判から間違いを完全になくしてしまうことは

不可能です。

   

罪なき人が、死刑になるべきでない人が間違って命を奪われてしまうことのある死刑制度は

廃止されるしかありません。

そんな思いから、京都の弁護士が集まりました。

ホームページ http://www7.ocn.ne.jp/~kyo_shmk/


周防正行監督、いい人です。

2012-05-27 22:41:46 | 社会・経済

「裁判員制度を考える京都の会」が主催する「~市民はえん罪を見抜く!~冤罪と裁判員制度を

考える市民のつどい」に参加してきました。

ゲストは、映画「Shall we dance?」や「それでもボクはやっていない」の監督の周防正行さんと、

昨年、再審無罪となった布川事件の桜井昌司さん。

お二人から、裁判官裁判の問題や裁判員裁判への期待が語られました。

Img_0343_2

周防監督のお話で心にとまったところ、

・ 裁判官はとても頭がいい人。だから最高裁がどういう空気にあるのか、国や社会が何を求めているのかを敏感に察知して、それが裁判に影響を及ぼしている。そして、毎日、有罪の人ばかりを裁き、研修所では有罪起案の練習しかしてこない。
 これに対して、裁判員は、裁くことができるのだろうかと不安を抱きながら、自信なく裁判に臨むことになる。だから、できるだけたくさんの証拠を見て、有罪に間違いないと思って判決をしたいと考える。疑わしきは被告人の利益にという基本原則に忠実に裁判をしなければと考える。そうした点から、裁判員裁判には冤罪が起こりにくくなると期待できる。

・ 裁判官は、無罪判決を書くときにすごく苦労するらしい。高裁で、有罪判決が破棄されて無罪になっても評価はさほど下がらないが、無罪判決が破棄されて有罪になると評価が著しく下がってしまうらしい。だから、無罪判決を書くときは、絶対に破棄されない判決を書こうとする。
 そこまで書けないというときには、とりあえず有罪判決にしておいて、もし無実なら、高裁がちゃんと破棄して無罪にしてくれるだろうという心理が働くのではないか。

・ 「それボク」で主人公に言わせた「裁判は真実を発見する場じゃないんだ」という台詞は、そのとおりだと思っている。
 裁判は真実を明らかにする場ではなくて、証拠によって被告人が有罪といえるかどうかを判断するところまでの場でしかない。ところが、警察も検察も、真相究明に必要だと考えて無茶なことをしてしまう。

・ 刑事司法特別部会に参加していて、検察も可視化はやむなしという雰囲気だが、なるべく狭めたいと考えているのがわかる。
 検察・警察は、全面可視化すると日本の治安が悪くなると脅してくる。取り調べのやり方に自信があるなら、可視化されても問題はないはず。でも、可視化されると、きっと今までの自白さえとればいいという取調べはできなくなる。

・ 証拠開示は、当然にすべての証拠が弁護側も利用できるのだと思っていた。
 今は、少しましになったらしいが、リストも出されず、想像の世界で開示を請求するしかない。
 この状態で裁判員になったら、隠された証拠があるかもわからない状態で判断させられることになり、冤罪の片棒を担がされることになるかもしれない。

・ 評議を検証するすべもないのが問題。守秘義務を緩和しないと、何を改善したらいいのかもわからない。裁判官による基本原則の説明(説示)も、公開の法廷でやるべき。

     

刑事弁護人にとって、周防監督、強力な応援団です。

裁判員裁判の取材をされているとのこと。裁判を取り上げた次回作がある?


KBS京都テレビ「やのぱんの生活情報部」でコメントしました。

2012-05-25 10:34:25 | 社会・経済

京都府亀岡市で小学生の列に、無免許の少年の運転する軽自動車が突っ込んだ交通事故

に関する特集でのインタビューで出演しました。(5/24 19:00~ オンエアされました)

少年が無免許だったことから、無免許運転による交通事故についても危険運転致死傷罪の

適用を求める声が高まっていることについて、弁護士としてコメントしました。

    

コメントの要旨としては、

① 「無免許」という事実はそれ自体に、必ず危険性があり、重大な交通の危険を生じさせる

おそれがあるということではないので、飲酒・信号無視というような危険運転致死傷罪の犯罪類

型と同じに考えることは難しい。進行を制御する技能を有しているか否かを判断するための一つ

の事情として「無免許」を考慮することはあるが、「無免許」=技能なし、「有免許」=技能ありと

いうように単純に考えることはできない。

(事故が発生したという結果から遡って、直ちに技能がないと単純に考えることもできない。)

    

② 今回の事故の原因が、本当に「無免許」にあったのかを冷静に考える必要がある。

「無免許」が原因なら無免許運転を厳罰化することで解決する可能性があるが、

別のところに原因があるなら、無免許運転を厳罰化することは、当該少年に対する応報感情以上

の意味を持たない。(そして、法改正をしても当該少年に対する適用はない。)

     

今回の事件は、「無免許」という非難しやすいポイントがあるために、そこに非難が集中している

が、それではかえって事件の本質を見誤ってしまうのではないか。

なぜ、少年が事故を起こしてしまったのか、なぜ事故が発生してしまったのかということを検討す

べきである。そうでなければ、今回の少年が負うべき責任を決めることも、今後の再発防止策も

考えることができない。

    

微妙な問題を含むインタビューで取材に応じることに躊躇もあったのですが、冷静な議論を

呼びかけることも弁護士としての責任と考えて、応じました。

マスコミ取材に応じてもなかなか真意を伝えてもらえないのですが、今回のKBS京都テレビは、

私の思いを良く理解して放送してくださったと思っています。