弁護士辻孝司オフィシャルブログ

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それでも冤罪は起こっている! 周防正行監督とご一緒しました。 11.17

2013-11-18 13:50:43 | 社会・経済

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京都弁護士会第43回憲法と人権を考える集い

「~それでも冤罪は起こっている~」 を開催しました。

私も、実行委員会の事務局長として係わらせていただきました。

   

メインゲストは、映画監督の周防正行さん

「それでもボクはやっていない」「終の信託」といった刑事司法を取り上げた作品や、Shall we ダンス?」 「シコふんじゃった」 「ダンシングチャップリン」など、数々の話題作を送り出した、日本を代表する映画監督です。

来年には、京都を舞台とした「舞妓はレディ」が公開予定です。

   

周防さんは、現在、法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」の委員を務めておられ、取調べの可視化や証拠開示などについて、新しい刑事司法制度の改革に取り組んでおられます。

  

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昨日のシンポでは、特別部会での最新の議論状況や、どうしようもない警察・検察の抵抗勢力、それを後押しする御用学者たちへの厳しい批判など、なかなか表には出せないお話を伺うことができました。

       

周防監督のインタビューの後は、

京都弁護士会演劇部!?による、取調べ再現の寸劇も上演しました。

   

酒と薬で暴れる兄を取り押さえようとして死なせてしまった弟の取り調べ。

弁護士のアドバイスを受けて殺意を否認しているのですが、このまま否認を続けていたら、母親まで共犯者として逮捕することになるかもしれないとほのめかされて、とうとう殺意を認めてしまいます。

出演した弁護士の熱演は、来場者にも好評だったようで、

「大阪弁護士会の寸劇よりも良かった」「他の弁護士会の寸劇をいくつか見たけど一番良かった!」といううれしい感想をいただきました。

   

私が脚本を担当して、シリアスな取り調べ場面を描いたつもりだったのですが、本番では意外なことに、会場から笑いが???

私は決してコメディーを書いたつもりはなく、ユーモアを入れたつもりも全くなかったのですが・・・・・

「リアル取調べ」を描くと、一般市民の人にとっては喜劇になってしまうようです。

     

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第2部では、周防監督に加えて、元裁判官で「刑事裁判の心」などの著書で有名な弁護士木谷明さん、布川事件の冤罪被害者桜井昌司さんをお招きして、刑事裁判の問題点、これから求められる改革について活発な議論が行われました。

    

シルクホールに500名以上の市民をお招きしてのシンポジウム、

来場者アンケートを見ても大変好評だったようで、大成功に終わりました。

       

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ゲストの周防さん、木谷さん、桜井さんにも、とても楽しく参加していただけたようです。

終了後の懇親会でも、ゲストや関わった弁護士から、楽しいスピーチが次々と飛び出しました。

その勢いに乗って、二次会はなんと、カラオケへ!

しかも大胆にもカラオケボックス!!

     

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桜井さんは、プロの歌手なのでカラオケ好きなのはよく知っていたのですが、木谷さん、周防さんはどうだろう????と思ったのですが、気持ちよくお付き合い下さいました。

桜井さんはもちろん、木谷さんもカラオケを熱唱!

貴重な場面です。

    

周防さんはなんと、というか、やはり 初カラオケボックス!!

さすがに歌われることはありませんでしたが、とても楽しそうに、お手持ちのカメラでパチパチ何枚も写真を撮っておられました。

若手弁護士たちの馬鹿騒ぎに少しは興味を持っていただけたのでしょうか?

   

いつもニコニコと、とても寛容な方です。

深夜まで盛り上がってしまいました。

         

みなさん、ぜひ、また、京都に来ていただければと願っています。

日曜日の夜でなければ、いろいろ店も開いているので、今度はもっと落ち着いた店に行きましょう。

カラオケも!

     

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リーガルハイのストーリーテリングはすごい!

2013-11-15 20:40:39 | テレビ番組

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「半沢直樹」に続いて話題のドラマ 

「リーガルハイ」 (フジテレビ・水曜10時)

 

見たい、見たいとと思って録画していながら、忙しくてなかなか見れなかったのですが、ようやく、まとめて第4話まで見れました!  

    

第1弾の前作よりもコメディー色が強くなってしまって、設定のリアリティーはちょっとダウンかな?と思いますが、堺雅人の弁護士役「古美門研介」の弁護活動は相変わらず勉強になります!

    

第4話、テーマは 近隣問題

隣同士に住む家族の主婦同士が対立し、とうとう刑事事件に....

東山冬海は、隣人の西平なつに、ハサミで腹を刺されてしまいます。

ところが、判決は無罪。冬海が先にゴルフクラブで殴りかかっていたことで、正当防衛が認められて、なつは無罪になります。

    

判決に納得のいかない冬海は、損害賠償の民事訴訟を起こします。

   

その民事訴訟の口頭弁論で、古美門が弁論をするのですが、

ストーリーテリングが抜群です!

    

「多くの庶民にとってマイホームは夢です。

東山冬海さんもそうでした。

郊外の住宅地に新築の一軒家を購入した彼女は、新居での新生活に夢をふくらませました。

   

同じ大安の日、西平なつさんの一家も隣に引っ越してきました。

   

冬海さんとなつさんは年齢も同じ、家族構成、息子の年齢、夫もサラリーマン、すぐに意気投合し、親友となったのです。

   

頻繁に両家を行き交い、調味料を借り合い、洋服を貸し合い、息子たちにピアノを習わせ、休みの日にはパーベキューをともに楽しみました。

  

なんて理想的な隣人同士でしょう。

  

しかし、この関係は長くは続きませんでした。

なぜ、デスパレートな関係になってしまったのか?

しょせん隣の芝生は青いのです。」

   

台詞の組み立ても抜群です。

シンプルなテーマから入り、短い文章で次々に話を展開していきます。

   

古美門のデリバリー(伝え方)も抜群!

緩急強弱を自在に組み合わせ、滑舌良くスピード感のある話し方と間の取り方、

こんなストーリーテリングだったら、裁判員を退屈させることなく、興味津々にさせることができることは間違いありません。

    

見終わって、思わず真似をして、練習してしまいました。 

   

ドラマの中では、ここで裁判長(広末涼子)が介入してきます。

法廷の中央に出てきて熱弁をふるう古美門に向かって、

「原告代理人、前に出ないように言ったはずです。今度、前に出たら廊下に立たせます。」 

とクールに注意します。

古美門は、「失礼しました。」 といったんは引き下がりますが、

いつの間にか裁判長の横の席で熱弁!

   

とうとう 「私は法廷秩序を乱しました」 という紙を持たされて廊下に立たされます。

   

じぇ!じぇ!じぇ!

法廷で前に出たら廊下に立たされる!

裁判員裁判でいつも前に出ている私もヤバイかも!  

    

水曜10時、弁護士は必見です!

詳しくはフジテレビのHPで。

http://www.fujitv.co.jp/legal-high/index.html

 

    

    

 

  

 

  

   

 

 


映画「サルバドールの朝」 11.11

2013-11-12 20:53:08 | 映画

 

日弁連(東京)で開催された「死刑廃止を考える日」に参加しました。

 

スペイン映画「サルバドールの朝」が上映されました。

 

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1970年代のスペインの実話をもとにした映画です。

 

無実の可能性がありながら死刑を執行されてしまう青年を描いた映画、

スペインで執行された最後の死刑だそうです。

今のスペインには、もちろん、死刑制度はありません。

 

鉄環絞首刑(ガローテ)という執行方法で、鉄の首環をしてそれをネジで締め上げ、最終的に首の骨を折るという残酷なもので、拷問の延長線上のような執行です。

映画では、その最後の瞬間までリアルに描写されています。

 

きっと、日本の絞首刑もいずれ残酷な刑罰だと誰もが考えるようになるでしょう。

 

 

スペイン大使館の方がお見えになってスピーチをされましたが、この映画を上映するという企画を日本でされたことは、とても勇気のあることだとおっしゃっていました。

 

スペインの人から見ると、死刑のことを口にするだけでも勇気がいるような日本の死刑をめぐる議論状況は異常なのでしょう。

 

 

 

 

【映画のあらすじ】 Movie Walker 

 

1970年代初頭、フランコ独裁政権下のスペインでは、権力に反発する様々な活動が行われようとしていた。

自由を愛し正義感にあふれる25歳の青年サルバドール・ブッチ・アンティック(ダニエル・ブリュール)は、無政府主義グループに参加。

活動資金を得るために仲間たちと銀行強盗を繰り返し、反体制の犯罪者として警察にマークされていた。

仲間との密会場所に張り込んだ刑事に逮捕されたサルバドールは、死刑を求刑される。

警官との揉み合いで、サルバドールの撃った銃弾が若い警官の命を奪ってしまったのだ。

だが死んだ警官の身体には味方の弾丸も残されており、警察はその検死結果をもみ消そうとしていた。

家族と友人、処刑を阻止しようと奔走する弁護士、元恋人など、サルバドールを愛する人々は獄中の彼を支援し、支える。

激しい敵意を露わにしていた看守さえも、いつしかサルバドールと固い友情で結ばれていく。

しかし再審も恩赦も退けられ、死刑判決を覆すことは出来なかった。

減刑を求める家族や世論の声を胸に抱き、サルバドールの死刑は執行された。

 

 

 


法廷弁護技術研修をしました! 11.8~9

2013-11-10 11:18:30 | 日記・エッセイ・コラム
法廷弁護技術研修をしました! 11.8~9





2日間にわたって、法廷弁護技術の研修

東京から高野隆弁護士、大阪から後藤貞人弁護士という両巨匠をお招きしての豪華な研修です。

私も講師陣のはしくれとして参加してきました。

法廷弁護技術研修をしました! 11.8~9

若手弁護士が受講生となっての研修でしたが、私も大いに刺激を受けて勉強させていただきました。


マンネリになってしまうと、仕事もこなして処理してしまうようになり、弁護の質も下がっていってしまいます。

勉強しないで肩書きだけで威張って、自信満々、得意げな弁護士も大勢いるから困ったもんです。


弁護士はいくつになっても、日々精進して、成長していかないと (^_^)

法廷弁護技術研修をしました! 11.8~9




周防監督、怒り炸裂か!? 可視化は絶望的....

2013-11-09 11:03:27 | インポート

  

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法制審議会の特別部会で議論されている新時代の刑事司法改革

様々な刑事司法改革の中心となるのが 「取り調べの可視化」 です。

   

違法な取り調べで虚偽の自白がつくられるおそれがあるのは、あらゆる事件、あらゆる取り調べ、あらゆる警察官・検事です。

そうである以上、取り調べのすべてが録画されていなければ、どんなふうにして自白がとられたのか、虚偽の可能性があるのかを検討することなどできません。

  

ところが、それがこんな状況です!!!    

   

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                      (朝日新聞 11月8日 朝刊)  

  

こんな可視化だったら、いっそないほうがいい!!

   

特別部会に参加されている 周防正行監督 もかなりお怒りのようです。

    

周防監督は、11月17日、京都弁護士会の「憲法と人権を考える集い」(於:シルクホール)で講演してくださいます。

テーマは 「えん罪」

まさに、この新聞記事と同じ内容になります。

   

周防監督の怒りをぜひ炸裂させていただければ。

みなさんたくさんご参加下さい。

   

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憲法と人権を考える集いの詳細はこちらから。

https://www.kyotoben.or.jp/kenjin.cfm