今日は3月3日、ひなまつり
ということで、「3」にまつわる弁護技術です。
「みなさん、被告人は無罪です。理由は14個あります。」
そう言って、弁護人が弁論を始めたらどうでしょう?
「え~、14個も話を聞かないといけないの・・・」
はじめからうんざりされてしまうかもしれません。
「やっと8個目か、まだ半分だなぁ」
裁判員は指折りながら、あなたの話が早く終わらないかとイライラしてしまいます。
そして14個の話が終わったとき、せいぜいはじめのひとつか、最後の一つしか覚えてくれていないでしょう。
では、
「みなさん、被告人は無罪です。理由は2つあります。」
そう言ったとしたら?
根拠は薄弱で、迫力がないように感じられてしまいます。
そうです。
理由は必ず 「3つ」 でなくてはなりません。
2つでも、4つでも、5つでもなく、絶対に3つです。
どうして 「3」 なのか?
一番バランスの良い数字、たくさんあること意味しながら、なおかつ、コンパクトさ、まとまりを感じさせる数字だからなのです。
ことわざでも、
三人寄れば文殊の知恵、石の上にも三年、三度目の正直、
早起きは三文の得、三顧の礼、三つ子の魂百まで
と「3」の付くことわざがたくさんあります。
三国志、世界三大夜景、日本三名城、三国一の花嫁、三匹の子豚、
合議体の裁判官も、キャンディーズもアリスも、少年隊、シブガキ隊も3人。
オリンピックのメダルも金、銀、銅の3つ。
桃太郎の家来も犬、猿、キジの3匹ですね。
最近では、安倍総理の成長戦略「3本の矢」
金融政策、機動的な財政出動、民間投資の3つですね。
でも、どうしても、理由が14個ある時はどうしたらいいか?
3つの種類に分類して、その種類のラベルをつければ理由は3つになります。
理由が2つしかないときはどうしたらいいか?
もう一つ理由を一生懸命に考えてみて、どうしても思いつかなければ、理由の中身を書き出してみて、2つの種類に分ければ、3つになります。
ここは型が大事です。必ず3つです。
そして、さらに応用です。
3つの理由を構造化するのです。
3つの理由は並列的なのか、
①確かに②しかし③したがってという論理構造になるのか、
①過去②現在③未来という時系列になるのか、①私②あなた③第3者になるのか、
構造化することによって、聞き手は3つの理由をしっかりと理解し、記憶に残してくれます。
ぜひ、みなさんも、話をするときには「3つ」にまとめて話してください。
聞き手は、あなたの話をぐっと集中して聞いてくれて、記憶にも残ります。
なによりも、あなたも話しやすくなります。
原稿がなくても、3つなら覚えられますよね。
でも、一つだけデメリットが!
最近は、宴会で私が挨拶をしようとすると 「3つ!」とかけ声がかかってしまいます