弁護士辻孝司オフィシャルブログ

京都の弁護士辻孝司のブログです
弁護士の活動、日々感じたことを弁護士目線でレポートします
弁護士をもっと身近に・・・

リーガル・ハイ最終話 古美門、最後の弁論

2012-06-27 14:41:27 | インポート

    

犬か猫だと思ってたら、ハムスターだったか.....   

  

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古美門、最後の弁論

「我々は神ではありません。

この私も含め、愚かで、感情的で間違えてばかりのちっぽけな生きもので

す。

そんな人間に人間を裁くことができるのでしょうか。

いいえできません。だから人間になりかわり、法が裁くのです。

どんなに怪しかろうと、どんなに憎かろうと一切の感情を排除し、

法と証拠によってのみ人を裁く、それこそが我々人類が長い歴史の中で手に

入れ法治国家という大切な、大切な財産なのです。

   

むろん公明正大なる裁判所におかれましては、情緒的な弁論に惑わされる

ことなど微塵もなく、徹頭徹尾、法と証拠のみに基づいて判断なさること

でしょう。

そしてその場合の結論は明白であります。」

     

なるほど!

事実 意見 感情 この3つのバランスを考えて、弁護士は主張しなければなり

せん。

   

あの終わり方は、好評だったから続編作るつもりなんだろうなぁ...

楽しみだ!

  

リーガル・ハイ最終話はこちら http://www.fujitv.co.jp/legal-high/story/

  


リーガル・ハイ第10話  反対尋問

2012-06-23 17:25:45 | テレビ番組

Kougai2  公害訴訟の後編

 法廷闘争もいよいよ佳境へ! 

 住民の健康被害の原因物質がヘルムート38だといえる

 のかを巡って、科学者が証人として出てくる。

 初めに出てきたのは古美門が連れてきた

 化学物質の権威、町村名誉教授。

 町村教授は病気の原因はヘルムート38であると断定。

これに対して、三木の用意した新進気鋭の宇都宮教授は全く逆の見解を証言する。

古美門は、宇都宮が町村教授研究室在籍中にちかん事件を起こして、研究室から追い出された

ことを暴き、宇都宮が私怨で町村に反対する見解を述べたと印象づけることに成功する。

ここまでは完全に古美門ペース。

   

ここから工場側の反撃。宇都宮に痴漢をされたという事件の被害者である女性研究員が登場。

女性研究員は、あれは痴漢なんかじゃない、町村が嫉妬心から過剰反応して、宇都宮を追い

出したに過ぎないと証言してしまう。

 

さあ、ここで古美門はどうするか?

とても興味深い、古美門と黛の反対尋問を再現してみよう。

Komikado 裁判長 「原告代理人(反対尋問をどうぞ)」

古美門 「ありません」

黛 「・・・・・、私から!」

古美門 「やめておけ」

黛 「宇都宮さんは痴漢のレッテルを貼られたことで、

教授を恨んだんですよね。だから、あえて反対の見解

を・・・」

証人 「宇都宮さんはそんな人じゃありません。私は、一科学者として宇都宮さんの見解を

支持します。この分野では、今、いちばん進んでいる研究者なので。」

黛 「・・・・以上です。」

古美門 「愚かもの・・・・」

   

そう、反対尋問は完全に失敗。

女性研究員に、宇都宮が信用できる人物であることをもう一度言わせたばかりか、主尋問で

も出ていなかった「科学者としては宇都宮の見解の方が正しいと考える」という意見まで言わ

れてしまった。

   

黛の尋問の何がいけなかったのだろうか? 3つの点を指摘できる。

   

① 結論(宇都宮が逆恨みからあえて反対の見解を言った)を尋ねた。

② 自分の意見を押しつけて、認めさせようとした。

③ とにかく尋ねなくちゃいけないという義務感から尋問した。

   

結論を聞けば、証人には尋問の意図が明らかになり、反発は必至。結論を聞くのではなく、

結論を導いてくれる事実を積み上げるのが尋問の鉄則!

自分の意見を押しつけても認めるわけがありません。反対意見を言うためにわざわざ法廷

に出て来た証人が、「私が間違ってました。」なんて言うわけがない。

依頼者の手前もあるし、なんか聞かないとマズイんじゃないかという不安から、弾劾するポイ

ントもないのにとりあえず尋ねてしまってはいけません。

   

反対尋問には戦略が必要。弾劾すべきターゲットを見つけて、それに矛盾する事実を証人に

認めさせて、積み上げていくこと。

ターゲットが見つからないのであれば、あえて尋問しないという勇気ある選択をすること。

反対尋問の対象となる証人は敵側証人です。尋問をして話す機会を与えれば、与えるほど、

こちらに不利な内容をしゃべってしまったり、弁解する機会を与えることになります。

 

この女性研究員に対する反対尋問は、古美門の「ありません」が正解!

それにしても、この失敗例はよくできてる! 本当の法廷でもよく見る光景です。

   

来週はいよいよ最終回! 黛と古美門の対決らしい。

そして、三木がデスクの引き出しに隠し持つ写真の秘密も明らかに!

リーガル・ハイ第10話はこちら  http://www.fujitv.co.jp/legal-high/story/story10.html


たまの法律目線!7月分を収録しました。

2012-06-20 16:58:26 | インポート

たまの法律目線!7月分を収録しました。
   

4月からオンエア中のラジオ大阪「たまの法律目線!はよ相談しなはれ」

7月の私の話は「男と女の法律問題」

離婚の慰謝料や婚約破棄、話題になった二股プロポーズ。

弁護士のところには法律問題を飛び越える様々な相談が寄せられます。

笑福亭たまさんと楽しくお話してきました。
    

ラジオ大阪OBC1314Hz 毎週水曜日 19:05 オンエア中 !

ラジオ大阪圏外の方も近畿にお住まいなら radiko.jp でどうぞ!


朗読の日(6月19日)

2012-06-19 22:22:33 | インポート

Roudoku  今日は、日本朗読文化協会が制定した「朗読の日」

 六(ろう)十(と)九(く)で「ろうどく」の語呂合せだそうです。

 弁護士も、数年前なら、書面に文章が書ければそれで十分でした。

 でも、裁判員時代の今、法廷で「語る」能力が求められます。

 私も、「脳を鍛える大人の音読ドリル」で練習しています。

    

本の紹介はこちら http://www.kumonshuppan.com/jsp/jsp/category/kobetu.jsp

  

高校生の時からのお気に入りは、森鴎外。

シンプルで、論理的で、スピード感があって、全く無駄がなくて、美しい。

こんな風に日本語を使えたらといつも憧れます。

   

朗読に加えて、7月からは、ボイトレレッスンにも通います!

すべては法廷弁護のために。


NITA法廷弁護研修プログラムに参加しました!

2012-06-18 15:20:03 | インポート

6/17 京都産業大学法科大学院で開催されたNITA法廷弁護研修プログラムに参加しました。

(主催:PSIMコンソーシアム、名大法学研究科・法科大学院)

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アメリカの弁護士等の教育機関NITAの教授2名による、刑事裁判の弁護技術に関するレクチャ

ーです。

陪審員(裁判員)を説得するためには、証拠に裏付けられるストーリーを示さなければならない。

良いストーリーは3つのセオリーを押さえている。

   1 法的セオリー (Legal theory) : 法律要件

   2 事実のセオリー(Factual theory) : 法的セオリーを満たす事実

   3 説得のセオリー(Persuasive theory) : 公平さ、正当性、正義があること

そして、主尋問と反対尋問の技術を教えてもらいました。

  

受講生として、教授陣と議論と実演を繰り返しながら、有意義な研修になりました。

弁護士になって14年、弁護士相手に弁護技術を教える立場にもなって、何でもわかっているつも

りでしたが、まだまだ、学ぶことはたくさんありました。

日々研鑽です。   とても疲れましたが、貴重な経験をできました。

いつかアメリカに行って学びたい。

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   Peter T. Hoffman 教授と。

    

   

   

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  Sandra L. Jhonson教授と。

   

お二人の先生方には、共同執筆した

「入門・法廷戦略」を贈呈しました。

NITAにも誰か日本語を訳せる人がいて、

読んでくれますように。