弁護士辻孝司オフィシャルブログ

京都の弁護士辻孝司のブログです
弁護士の活動、日々感じたことを弁護士目線でレポートします
弁護士をもっと身近に・・・

更生に資する弁護~高野嘉雄弁護士追悼集~

2012-09-29 15:24:05 | インポート

Img_0504

  

奈良に高野嘉雄さんという弁護士がおられました。

偉大な刑事弁護人でした。

古くは甲山事件、最近では奈良市小一女児誘拐殺人事件や田原本放火殺人調書漏洩事件などの著名な事件の弁護もされていました。

大きな事件だけでなく、無銭飲食や常習窃盗、クレプトマニアや少年事件などの情状弁護でも一切手を抜くことなく、常に被告人の更生を追及する弁護活動をされていたそうです。

  

その高野先生が昨年9月13日にご逝去され、その追悼集が発表されました。

まだ全部は読めていませんが、収録されている高野先生の弁論の一説をご紹介します。

「私は被告人に対して、いろいろと言ってきたが、非難はしない。

私が言えるのは、こんな生活はやめようや、刑務所で死ぬか、野垂れ死にするか

なんてことは、あまりに惨めじゃないか、畳の上で死んでくれというだけである。」

 無銭飲食や無賃乗車を繰り返して刑務所に出たり入ったりを繰り返し、今回も刑務所出所後に無一文となって無銭飲食をしてしまった被告人に対する弁論だそうです。

被告人に寄り添い、更生を信じる。そんな弁護人の姿勢が滲み出ています。

  

私は、何度か講演を拝聴したり、会議や宴席でご一緒したことがあるだけで、残念ながら一緒に事件をさせていただいたことも、ゆっくり話をさせていただく機会はありませんでした。

しかし、遠目に見ていても、颯爽として、エネルギッシュで、優しくて、
とても格好いい弁護士でした。

奈良には大勢の教え子がおられます。
高野先生が築かれた「更生に資する弁護」が引き継がれていきます。

  

まだ読み終わっていないのに、伝えてくてブログに書きました。

本はこちら。

http://218.42.146.84/genjin//search.cgi?mode=detail&bnum=20225


吸って、吐いて、吸って ~ボイトレレッスン5~

2012-09-25 23:09:48 | インポート

   

ボイトレレッスンの5回目に行ってきました。

今日のレッスンは、

基本的な呼吸と声の出し方と音の高低差でイイタイコトを強調する練習

 

Photo

話す前に息を吸って、腹筋を使って息を吐きながら、その息に乗せて声を出し、

口の形を変えて音を変える。

喉は、あくびをする時のように開いて、リラックスさせておく。

すべての音に均等に息を分けて使って、言葉を言い終わったら、息を吸う。

 

息を吸って吐くことも、声を出すことも、人間としてあたりまえの行動なのに、
いざ意識してやってみるととても難しいです。

 

息を吐きながらしゃべるのって大変です。

でも、これができるようになると、とても響きのある声が出せるようになるようです。

   

イイタイコトを強調するときも、イイタイコトの部分を大きな声で言うのではなく、

イイタイコトの部分の音を高くした方が品良く強調できるそうです。

       

Photo_2

 

「わたしは、あなたに、これを、あげる。」

「わたしは」を高くして他を低くすると、「わたしは」が強調されて、
ほかの誰でもない「わたし」があげるのだという文意になるそう。

「これを」を高くして他を低くすると、「これが」が強調されて、
あれでも、それでもない「これ」をあげるのだという文意になります。

普通は、強調したいところを大きな声で言ってしまうのですが、
大きな声だと下品で押しつけがましく聞こえるようです。

一度試してみてください。

   

一応、今日でボイトレレッスンも修了。

これからも自分たちのプレゼン研究会で指導をお願いしたいと思っています。


全国一斉!休日相談所 行ってきました。

2012-09-23 18:31:09 | インポート

Zenkokuiseisoudan

   

法務局の人権擁護委員として、全国一斉!法務局休日相談所で相談を聞いてきました。

普段は、京都地方法務局などで電話で相談を受けたりしているのですが、今日は、

イオンモール京都五条というショッピングセンターの中の特設相談所を臨時に設置して、人権相談を行いました。

 人権擁護委員(弁護士)以外にも、司法書士、土地家屋調査士、公証人などの各分野の専門家が集まっての豪華な相談会です。

 
 もっとも人権侵害の相談や純粋な法律相談というのはほとんどなくて、人権擁護委員(弁護士)のところに回ってくるのは、どこの分野にも属さないような相談です。

 オールマイティーだと思ってもらえているのはうれしいことです。

  
 弁護士は、決してオールマイティーに何でもわかっているわけではなく、あくまでも法律専門家でしかありません。

 ただ、いろいろな依頼者と話をし、事件を経験する中で、様々な人の人生を知り、様々な分野について知識を身につけていきます。

 また、世の中の事柄の多くは何らかの形で法的な問題となることが多いですし、もめ事・困りごとは最終的には法的な解決に行き着かざるをえないので、とりあえず弁護士に聞いてみるというのは正解だろうと思います。

 すぐに引き受けて解決することはできなくても、

 これからどうしたらいいのか、
 
このままだとどうなっていくのか、
 どういうことに注意しておけばいいのか、

 相談者と一緒に考えて糸口を見つけることはできるだろうと思います。

   

Mamoruayumi

  

人権イメージキャラクターの
JINKENまもるくんあゆみちゃん
レジャーシートです。

相談会に来ていただいた方に配られていました。

アンパンマンのやなせたかしさん作です。

一枚いただきました! 

  


帽子、とったど~! 地下鉄広告10月

2012-09-21 14:43:00 | インポート

Photo

   

プロフェクト法律事務所の京都市営地下鉄の車内広告が新しくなりました。

暑さもやわらぎ、いよいよ、「運動会」シーズン!!

ということで、地下鉄広告も運動会がテーマです。

 

騎馬戦では帽子を奪い合いますが、試合が終わり次第ちゃんと返すつもりなら、
ドロボウとして罪になることはありませんのでご安心を。

それよりも、本気になりすぎて怪我をしないようにご注意を。

  

今回のポスターのこだわりは、帽子を取って逃げる子どもたちのいじわる!な表情!

イメージを伝えるのが難しく、イラストレーターの方には何度も書き直していただきました。

  

地下鉄車内広告のバックナンバーはこちらからお楽しみ下さい。

http://www.profecto.jp/about/ad.html#subway


原稿執筆に奮闘中 (^_^;) 

2012-09-18 22:01:59 | インポート

    

敬老の日の3連休、ずっとブログも更新することなく、原稿執筆に奮闘してました。

Photo

ある裁判員裁判でお世話になった立命館大学文学部の廣井亮一教授に声をかけていただき、同教授が編集される「加害者臨床」(仮題)(日本評論社刊)の一部を執筆しています。

 廣井亮一教授 http://www.ritsumeihuman.com/members/read/id/16

私は、「弁護士から見た加害者」 というテーマで書いています。

 原稿を書きながら、これまでに弁護人を務めた事件を振り返って、頭を整理していると、いかに被告人のことを見ていなかったかがよくわかりました。

 ただ、それは、私だけの問題ではなく、刑事裁判の宿命とも言うべきもので、裁判ではこれまで被告人という人間や事件の動機というものが重視されていなかったのです。

 刑事裁判では、被告人がどんな行為をして、どんな結果が生じたのかということで刑罰はほぼ決まり、動機や被告人のキャラクターというのは付随的な事情とされています。

 このことは、犯罪に対して公平に刑罰を科し、人権を侵害しないためには必要なことでした。(行為と結果はたいしたことはないが、危険な性格だから、もしかしたらまた何か犯罪をするかもしれないという理由でずっと刑務所に入れておくという考え方は否定されていたのです。)

ところが、裁判員裁判が始まり、裁判員となった一般の人は、被告人の人となりに注目し、その人格的傾向や動機といった内面的な事実まで解明することを求めるようです。

このことは人の気持ちとしては当然のことで、裁判員裁判では、こうした裁判員の気持ちを前提として私たちも弁護活動をしなければならなくなってきています。

Photo_2  

被告人の人格的傾向や動機に理解を得ることができなければ、
被告人は凶悪なモンスターとして恐怖と排除の対象とされ、
どんどん重罰化してしまうからです。

これからの裁判では、精神医学や臨床心理の知見が
ますます重要になってくるように思われます。

と、こういう観点で執筆しています。

年内くらいには発刊予定のようです。私以外の執筆者はみなさんは、各分野のスペシャリストで、タイトルだけ見ていても興味をそそられます。

発刊された暁にはまたご案内しますので、楽しみにお待ちください。