弁護士辻孝司オフィシャルブログ

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キム・ヨナの間! ~弁護技術を生活に vol.22~

2013-04-21 22:09:29 | インポート

  

フィギュアスケートのシーズンが終わり、来年はいよいよ冬季オリンピック!

法廷のキム・ヨナになりたい!!

バンクーバーオリンピックを見て、真剣にキム・ヨナを目指していました。

そのキム・ヨナの演技がこれです。

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YouTube: Olympic Figure Skating Champion Queen YUNA KIM(キムヨナ )'s 2010 LP (NBC)

  

スケートの演技もスゴイのですが、

演技が始まるまでの間の取り方、会場の集中の集め方が抜群です。

キム・ヨナの直前の演技はライバル浅田真央、文句なしの演技を決めて高得点を叩き出す。

会場は真央ちゃんの演技に酔いしれてスタンディングオベーション、

そして、高得点への驚きと興奮が冷めやらない。

次に登場するキム・ヨナには、とんでもなくやりにくい状況。

ところが、キム・ヨナはリングに降りてもすぐには演技を始めず、

会場を巡りながらゆっくり、ゆっくりと会場の中央に降り立つ、

そして会場の中央に来て初めのポーズを決める。

しかし、すぐに音楽は流れず、しばらくの間があって・・・・

ここで観衆は、いっせいにキム・ヨナに注目!

それまで真央ちゃんがつかんでいた会場の空気を一気に引き寄せ、

会場中のすべての集中力をキム・ヨナに集め、期待を最大限に高める。

まだ演技も始まっていないのに、観衆はもう鳥肌が立って感動してしまう。

演技をしていなくても、この時点で金メダルはほぼ決まっていたようなものです。

  

法廷にこれを取り入れたい。

検察官の論告の後、検察官が配った資料を見ながら、検察の主張を一生懸命に確認する裁判員たち・・・・・

続いて、弁護人の弁論をすることになる。

そこで、検察官の空気を弁護人に引き寄せるためにキム・ヨナの間を使うのです。

法廷の中央にゆっくりと進み出て黙ったまま間をとる。

ゆっくりと顔をあげて、沈黙のまま右から左、左から右へと、裁判官・裁判員の一人一人とアイコンタクトをとる。

そして、傍聴席も含めて、法廷中の集中をすべて集めたところで初めて、

『被告人は無罪です。」と語り始める。

   

滑り始めるはず、語り始めるところで、あえて沈黙して間をとることで、聞き手はどうしたんだ?と、話し手に集中をしてくれます。

すべての集中を集めたところで、大切な演技を始めるのです。

  

スピーチをするときには、

ゆっくりと登場する、立ち位置に来たら聴衆の方を見てゆっくりと間をとり、聞き手の視線を集まったことを確認してから、話し始める。

ゆっくり間をとることがポイントです。

特にざわついている会場でスピーチするときには有効です。

沈黙はまさに金メダルです!