厚労省局長郵便不正事件の無罪判決、その裁判の過程で明らかとなった違法な取調べや、証拠改ざん事件をきっかけとして、始まった刑事司法改革。
えん罪を繰り返さないために、取調べの可視化、証拠開示、被疑者国選弁護の拡大、人質司法の打破などの捜査改革を実現して行くことが本来の目的でした。
ところが、えん罪防止ために設置された法制審議会の特別部会では、警察や法務省の強烈な巻き返しによって、えん罪防止の改革は骨抜きにされてしまっています。
逆に、盗聴、黙秘権の否定、司法取引など、捜査権力を強化するような改革ばかりが推進されてしまっています。
それらの改革の中には、必ずしも全否定されるものではないものもありますが、どれもが大きなテーマで、全体的な制度のバランスを十分に考えて設計されるべきなのに、捜査機関が望むままに作られようとしています。
少なくとも、今回の刑事司法改革の目的からは外れたテーマです。
そのため、捜査機関の 「焼け太り」 と批判されたところです。
特別部会に参加されている周防正行監督や、厚労省の村木さんは孤軍奮闘して、「焼け太り」に抵抗してくださっていますが、官僚や裁判官、検察官、御用学者たちによって、どんどん進んでしまっています。
少しでも、周防監督や村木さんの後押しをしたい・・・・
そんな思いも込めて、京都弁護士会として意見を述べました。
長文で、専門用語も多いですが、ぜひ、一度ご覧になってみて下さい。
京都弁護士会 意見書はこちらから。
https://www.kyotoben.or.jp/siritai/menu/pages_kobetu.cfm?id=722
そして、えん罪を防ぐ手だてを拒否して、間違った裁判を繰り返そうとしているこの国の刑事司法制度には、命を奪う死刑まであります。
神戸で開催された近畿弁護士会連合会大会に参加してきました。
午前中のシンポジウム(第2分科会)では、
弁護人接見と防御活動の自由~接見妨害をはねかえそう!~
と題して、拘置所などでの接見の際に、パソコン、タブレット、iphone、カメラなどの電子機器の自由な使用が弁護活動には必要であることが確認されました。
弁護士の寸劇で、電子機器のある時、ない時が実演されました。
メール、インターネット、携帯、デジタルカメラ、パソコン、DVD・・・こういった電子機器の活用は、弁護士弁護士の業務に欠かせません。
ところが、警察や拘置所で捕まっていると、こうした電子機器の利用を制限される例がたくさん出ており、無断で使用したからという理由で懲戒を請求されている事案があったり、逆に、弁護士から国に損害賠償を求めたりしているケースが多発しています。
京都でも3年前に、拘置所と弁護士会でもめた事例がありましたが、今日の戦いの緒戦だったようです。
その時には、マスコミにも協力をお願いして戦いました。
その時の、新聞記事です(2011.2.27京都新聞朝刊)
午後の大会では、
「接見室における弁護人の自由な電子機器の利用を妨害しないことを求める決議」が採択されました。
~当連合会は、被疑者・被告人の防御のために、接見室内において必要があるときは電子機器を適切に活用することによってより質の高い弁護活動に励むことを表明するとともに、その実現のため、法務大臣、検事総長、国家公安員会及び警察庁長官に対し、弁護人による自由な電子機器の持ち込み・利用を妨害しないように求める。~
ITが当然となった時代に、時代遅れの対応がなされています!
「弁護士ドットコム」という弁護士紹介サイトから取材を受けて、「銃刀法」について解説をしたコメントが掲載されました。
記事はこちらからご覧下さい。
http://www.bengo4.com/topics/783/
刃物は理由もなく持ち歩かないでくださいね。
字数の制限があったために、解説には書かなかったことをひとつ。
「刀」 と 「剣」 の違いはどこにある?
これは 「刀」
これは 「剣」
日本と西洋の違いということではありません。
「刀」 は片刃(片側だけに切れる部分がある。)
「剣」 は両刃(両側に切れる部分がある。)
という違いがあります。
ちなみに、「あいくち」というのは、鍔のない刀のことといいます。
知っていても何の役にも立たないので、原稿としてはボツにしました。
尊敬する作家 寮美千子さんの講演会が、京都弁護士会館であります。
詩が開いた心の扉~被害者救済と加害者支援~
10月19日(土) 13:30開場 14:00開会 (~16:00)
私が関連する団体の主催ではありませんが、寮さんの講演はとても素晴らしいので、都合をつけて聞きに行きたいと思っています。
どなたでも参加できて、参加費も無料ということですので、ぜひ行きましょう!
当日は、兄を強盗殺人事件で殺害された犯罪被害者遺族の船木洋志さんのお話もあります。
船木さんのお話も伺ったことがありますが、当事者のお話はとても重く、大切なものがあります。
犯罪被害者がどのような思いでいるのか、いろいろな考えがあることがわかりました。
こちらも貴重なお話なので、ぜひ聞きに行きましょう!