弁護士辻孝司オフィシャルブログ

京都の弁護士辻孝司のブログです
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全国学力テスト、裁判官にも!

2013-08-28 09:57:27 | インポート

 

小中学生を対象に行われた全国学力テストが話題ですね。

新聞に問題が掲載されていましたので、ちょっと見てみましたが、なかなか面白い。

 

中学生の国語の問題でこんな問題がありました。

まず、設定です。

 

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この設定で、生徒会の会議で次のような会話が交わされます。

 

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そして、設問はこういう問題です。

 

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設問一は、それほど難しくありませんね。答えは2です。

 

設問二は、正答は、1,4,5だそうです。

答えとしてはそれで合っていると思いますが、プレゼン的に少し解説を。

 

選択肢1 「このことについて、他に意見はありませんか。」

 

オープンに意見を募っており、選択肢の中では、司会者として最も適切な発言だと思います。『このことについて』と限定することによって、長井さん、早川さんの問題提起を重要なテーマとして取り上げているというメッセージを伝えることができるので、長井さん、早川さんも納得でしょう。

司会者が、ちゃんとメンバーの話を聞いているということも伝わります。

 

選択肢2 「早川さん、なぜ合唱を先にするのですか。」

 

早川さんはすでに、理由を付けて自分の意見を説明しているのに、さらに理由を尋ねています。

このように司会者から質問されると、早川さんは、司会者が自分の理由には納得していない、司会者が自分に反論している、自分の意見を否定しようとしている、自分の話を聞いてくれないと感じてしまいます。

 

こういう糾問的な質問は、まさに、警察での取り調べですね。

 

選択肢3 「私は、長井さんの意見に賛成です。」

 

会議をコントロールする立場の司会者が自分の意見を言ってしまうと、他の参加者(南さん)もそれに誘導されてしまう可能性が高くなってしまいます。また、司会者対参加者という縦構造の議論になってしまい、他の参加者が傍聴者になってしまいかねません。
司会者は、あくまでも中立的な立場から、参加者同士の横方向議論が活発になるように進めていかなければなりません。

 

裁判員裁判での評議で、裁判長が陥りがちなパターンです。

 

裁判長は、長年の裁判官としての経験がありますから、審理を見ておおむね結論を決めています。そして、その結論から大きく外れるような判決は、正義に反し許されないと確信しています。

そのため、裁判員を含めた評議が、裁判長の確信する正義と異なる方向に行きそうになると、なんとか議論を引き戻そうと必死に抵抗します。

しかも、ソフトに、わからないように。

裁判員になった人はぜひ気を付けてください。

 

選択肢4 「南さんは、二人の意見を聞いてどう思いますか。」

 

決して間違いではないのですが、早川さんの発言を聞いて長井さんは、反論したくてうずうずしているかもしれません。南さんとしても、もう少し、長井さんと早川さんの意見を聞いてから、どうしようか考えているかもしれません。

できるだけ参加者同士の自由な議論を活発するためには、司会者は発言者を指名をしない方がいいでしょう。発言者を指名するのは、誰からも発言がない場合や特定の人ばかり発言して発言する人と発言しない人がはっきりと分かれてしまうような状況が生じた場合です。

つい指名したくなるのですが、司会者は辛抱強く待つことが必要です。

 

選択肢5 「長井さんは、早川さんの意見についてどう思いますか。」

 

これも論理的には間違いではないのですが、ここで長井さんに投げ返してしまうと、長井さんと早川さんの二極対立構造を生み出してしまうことになります。場合によっては、感情的対立が生まれて、建設的な議論が難しくなってしまうかもしれません。

やはり、オープンに問いかけるべきでしょう。

 

 

この問題は子どもだけでなく、大人こそ勉強すべきですね。

こういう問題を勉強してきた子どもたちが、大人になっても中学時代に学んだことを忘れずに、良い裁判長になってくれることを期待します。

 

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バウムクーヘン百景!

2013-08-27 19:44:31 | 食・レシピ

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今日は昼から 彦根 に出張してきました。

彦根に行くとおみやげはいつも、クラブハリエのバウムクーヘン  

本店は近江八幡ですが、彦根にもおしゃれで大きな店舗があります。

  

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バウムクーヘンというお菓子は、もちろん私の子どものころからあって、決して新しいお菓子ではありませんが、このクラブハリエのバウムクーヘンが話題になってからか、あちこちで有名なバウムクーヘンがあるようです。

  

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これは、今、京都のおみやげで一番人気と言われている「京ばあむ」

京都産豆乳で作った大豆風味たっぷりのスポンジ生地と、京都宇治抹茶を練り込んだ抹茶生地でできています。

残念ながら、私はまだ食べたことがありません。

   

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東京駅でおみやげに買ってくるのは、「和のねんりん屋」のバウムクーヘン。

ゆず風味のバウムクーヘンです。 

   

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これは最近話題の 「治一郎」 のバウムクーヘン

先日、初めて食べました。

しっとりしたスポンジと、さっくりとした食感が絶品です。私好み。

     

   

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事務所のすぐ近くにも有名なバウムクーヘンがあります。

竹屋町通烏丸西入にある 「欧風堂」 というお店です。

地下鉄丸太町駅からすぐ、私の事務所からもすぐのお店です。  

   

それぞれ特徴があって、どれもおいしいですが(「京ばあむ」だけは未踏ですが。)、

私の好みは、やはりクラブハリエ。

しっとりとしていて、周囲に付いた砂糖のパリパリ、サクサク感が抜群においしい。

  

日本全国あちこちにおいしいバウムクーヘンがあるのでしょうね。

   

   

  

  

  

   


死刑廃止に向けて、熱海合宿!

2013-08-20 08:37:46 | 社会・経済

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昨日から、日弁連死刑廃止検討委員会の夏期合宿で熱海に来ています。

抜けるような青空ときれいな海が目の前に広がっていますが、海に近づくこともなく、山の上の研修所に籠もっての合宿です。 

   

合宿では、アメリカのテキサス州の視察報告と世論調査についての研究報告が行われました。

 

テキサス州は、アメリカでももっとも積極的に死刑が行われている州ですが、数年前に終身刑が法制化され、それ以来、検察官による死刑求刑が減っているとういことでの調査です。

もっとも、殺人事件そのものも減少しており、終身刑を導入したから、死刑が減ったと単純には言えないようです。

  

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日本では、86%が死刑を支持しているとの世論調査の結果が死刑存置の大きな根拠とされています。

    

もっとも、その世論調査については、よく言われるように設問が「どんな場合でも死刑を廃止すべきである」「場合によっては死刑もやむを得ない」「わからない」という選択肢が、きわめて恣意的だという問題があります。

   

それだけでなく、回収率が年々下がっている、とりわけ死刑廃止派が多い若年層の回収率が低いというような問題があるそうです。

    

「86%」という数字だけが一人歩きしていますが、そういう問題について修正をした上で,考えてみる必要があるようです。

    

また、そもそも、単純に死刑に賛成か、反対かということを聞くことにも問題があるようです。

むしろ、死刑に関する情報を十分に与えた上で、死刑を廃止することを許容できるかどうかということを問うべきなのでしょう。

           

今回の合宿は、城南信用金庫の研修所をお借りして行っています。

立派な施設ですが、あちこちに信用金庫マンの心構えが貼ってあります。

研修所らしくて、いい感じです。   

     

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死刑事件弁護セミナーに参加しています。

2013-08-16 15:39:37 | 社会・経済

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世間はまだお盆休み、京都では大文字ですが、

一泊二日で東京に来て、日弁連で

「死刑事件弁護セミナー~アメリカの最先端理論と実務に学ぶ」

というセミナーに参加しています。

  

アメリカからお二人の弁護士と臨床ソーシャルワーカーをお招きして、死刑事件の弁護活動についての講演です。

      

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アメリカと日本では、刑事司法制度も弁護士制度もかなり違いがありますが、

弁護人としてのあり方や、弁護活動自体は共通するところも多いようです。

   

例えば、

被告人との信頼関係を構築することが重要であり、そのためには被告人の話を良く聞くこと、被告人が何を求めているのかを良く理解し、時には雑用も引き受けてあげることも必要であるとか、

    

予断を持たないことが重要で、報道や捜査結果、そして弁護人自身の経験によって予断を持ってしまってはいけないこと、

   

現場に実際に行ってみることが重要であることなど、

  

日本の弁護活動でも同じことが言えます。

      

また、誤判が一番起こりやすいのが量刑であること、重大事件ほど誤判が起こりやすいというのも日本と同じです。

重大事件になるほど、捜査機関には解決すべきというプレッシャーが強くなり、証拠が不十分でも無理に解決してしまおうとするために誤判が起こりやすくなるということです。

   

日本でもそうですね。

  

アメリカでは、全52州のうち32州が死刑を存置しているけれども、そのうち積極的に死刑を存置しているのは15州だけであり、むしろ少数派になっているそうです。

死刑判決も、1998年には年間300件以上あったものが、現在では年間70~80刑程度に減っているそうです。

   
死刑判決が増えてきている日本とは対照的です。

  

また、日本とアメリカは、先進国の中で死刑を存置している最後の国ですが、両国の死刑制度には大きな違いがあります。

アメリカでは、死刑はスペシャルな刑罰であり、死刑にするためには通常の刑事裁判とは異なる手続きが要求されています。

多数決で簡単に死刑が出せてしまう日本とはかなり違います。

   

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明日も、朝から夕方までみっちりとセミナーです。   

    

外国人の講師の研修を受けていると、幕末か明治時代の日本人になったような気分になります。  

  

より質の高い弁護活動のために勉強してきます 

  

  

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京都はるか法律事務所!誕生!

2013-08-13 23:40:37 | インポート

   

月曜日(8月12日)から、新しく 「京都はるか法律事務所」 設立しました。

京都市営地下鉄「丸太町」駅から徒歩3分、京都御所のすぐ近くです。

  

「聞く力」 「解く力」  「伝える力」

Profile

3つの力を大切にして、刑事弁護、民事事件、家事事件に取り組んでいきます。

  

お盆期間中の開業で、はじめはヒマだろうからのんびりスタートしようと思っていたら、

とんでもない! 

まだ、開業2日目ですが、新規の相談や依頼でてんてこまい!!

ありがたいことです。

事務所の整理やシステム構築、機器の設定が追いつかず、遅くまで働いてます 

  

このブログは、今まで通り続けていきますので、引き続きご愛顧ください。

これからも、よろしくお願いします。